平成19年版 情報通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
トップページへ戻る
操作方法


目次の階層をすべて開く目次の階層をすべて閉じる

第1章 ユビキタスエコノミーの進展とグローバル展開

(4)新たな社会経済システムの出現

 ユビキタスネットワークの進展により、ネットワークによる様々な形態の協働(コラボレーション)や多様な情報・知識の集積が可能となり、個人の影響力が拡大した。個人から発信される情報は、それ単体の持つ影響力は小さくても、それらを集積することにより社会や経済に対して大きな影響力を持つ。そして、こうした個人の役割の高まりは、新たな社会経済システムの構築を促していくものと考えられる。
 商取引の分野では、供給者と消費者が双方向でコミュニケーションを取れるようになり、消費者の細かなニーズが供給者に低コストで伝達されるルートができた。これが、基本的に供給者主導型であったこれまでのビジネスモデルとは異なる、供給者と消費者の双方による新しい「協働型」のビジネスモデルを生み出しているといえる。そしてこの「協働型」ビジネスモデルを可能とする有力な手段が、企業が開設するブログやSNSである。
 ブログは読んだ人がコメントを残すことができることから、供給者は、ブログに残された消費者からの意見を収集することによって消費者のニーズを直接把握することができる。また、トラックバック機能によって相互リンクを形成することが容易であるため、トラックバックの数が多ければ多いほどそれをたどってブログを読む人が増えると見込まれ、高い広告効果が期待される。
 また、SNSは会員制を採っているものが多く、企業自体に対する関心や、企業が提供する製品やサービスの分野に興味の高い消費者のニーズを効率的に集めることができる。さらに、書き込みの内容等から、製品やサービスを購入した消費者の反応を把握することもできる。

 第3節 情報通信と社会生活

テキスト形式のファイルはこちら

(3)メディアの新しい動向 に戻る コラム 情報の非対称性と「協働型」ビジネスモデル に進む