平成19年版 情報通信白書

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第2章 情報通信の現況

(6)諸外国における映像情報発信の動向

ア 米国
 米国では、各種の民間番組供給事業者が米国外においても番組提供を展開しており、ケーブル・ニュース・ネットワーク(CNN:Cable News Network)の報道チャンネルは200以上の国・地域で視聴可能となっている。
 2004年(平成16年)2月には、連邦政府の放送管理委員会(BBG:Broadcasting Board of Governors)の支援により、中東地域に向けたアラビア語による映像国際放送「アルフッラ(AL-Hurra)」が開始された。

イ イギリス
 音声国際放送が公共放送機関である英国放送協会(BBC:British Broadcasting Corporation)本体によって実施されている一方、映像国際放送については、BBCの100%出資孫会社が無料の報道チャンネルや有料の娯楽・教養チャンネル等を運営している。両社は有料のライブストリーミング配信を行うほか、動画共有サイトと提携し同サイト内に「チャンネル」を確保するなど、インターネットによる配信についても対応を進めている。また、2007年(平成19年)11月からは、アラビア語による映像国際放送を開始する予定となっている。

ウ フランス
 欧州のフランス語圏3箇国(フランス、スイス及びベルギー)の公共放送機関を中心的な出資者とする国際放送専門局が、総合チャンネルで、世界の200箇国以上に向けたフランス語による映像国際放送を実施している。
 また、政府の主導により進められたいわゆる「フランス版CNN構想」の結果、官民共同出資により設立された新会社により、2006年(平成18年)12月から、無料の報道・文化チャンネルによる映像国際放送が開始されている。対象地域は、欧州、中東、アフリカ、米国東部(ニューヨーク、ワシントン)であり、2009年(平成21年)には、アジア及び米州全域まで拡大する予定となっている。対象地域の使用言語に応じた二つのチャンネル(英語75%+フランス語25%、フランス語100%)により放送を開始し、2007年(平成19年)4月には、アラビア語チャンネルを開設した。また、スペイン語放送の開始も予定されている。

エ 中国
 国営放送機関である中国中央テレビ局(中国中央電視台、CCTV:China Central Television )が、北京語による報道・娯楽チャンネル、英語による報道中心チャンネル及びスペイン語50%+フランス語50%による報道チャンネルの3チャンネルの映像国際放送を実施している。
 受信環境整備のため各国の衛星放送及びケーブルテレビによる再送信を積極的に進めており、特に米国に対しては、全米向け衛星放送やロサンゼルス地域のケーブルテレビのベーシックチャンネルに参入済みとなっている。

オ 韓国
 公共放送機関である韓国放送公社(KBS:Korean Broadcasting System)が、音声国際放送と並行して、韓国語(一部は英語字幕付)による有料の総合チャンネルを運営し、映像国際放送を実施している。
 また、1996年(平成8年)に設立された韓国国際放送交流財団(Korea International Broadcasting Foundation)が開局した国際放送局では、アジア、大洋州、中東、欧州、米州向けとアラブ圏向けの2チャンネルを運営し、映像国際放送を実施している。また、韓国国内の外国人向けにはケーブルテレビと衛星放送で英語放送を提供している。

カ カタール
 カタールを拠点とし、中東各国を中心にアラビア語の映像国際放送を行う放送局「アルジャジーラ(Al Jazeera)」は、2006年(平成18年)11月から、全世界に向け、英語による映像国際放送「アルジャジーラ・イングリッシュ(Al Jazeera English)」を開始し、各国の衛星放送及びケーブルテレビのチャンネルに積極的に参入している。

 第8節 海外の動向

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