平成19年版 情報通信白書

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第1章 ユビキタスエコノミーの進展とグローバル展開

(2)ブログとSNS

 消費者発信型メディアの中でも、ブログはここ数年で目覚ましい普及を遂げている。ブログとは、ウェブ上の記録を意味する「ウェブログ」の略で、時系列的に更新される日記や特定テーマについての個人やグループのウェブサイトのことである。
 多くのブログでは、あるブログ記事Aが別のブログ記事Bにおいてリンクを形成して引用・言及された場合にそれをブログ記事Aの作者に知らせるトラックバック機能や、あるブログ記事に対してそれを閲覧した者がその記事に対する意見を当該ブログ内で述べられるコメント機能等が搭載されている。さらに、記事の読み手がRSSリーダーと呼ばれる機能を使うと、指定したブログ記事の更新情報が配信されるようになる。
 トラックバックやコメント機能によって、元の記事の作者とその記事の引用者やコメントを付けた人との間にフラットなコミュニケーションが生まれ、RSSによって、受動的メディアであったウェブサイトが能動的なものに変わり、個人の情報発信力を高めることに貢献している。
 個人が開設したブログを閲覧する人は全体の4割に上り、中でも毎日閲覧する人は12.4%を占める。また、ブログを閲覧する人のうち、ここ1〜2年でブログの閲覧が増えたとする人は5割近くに上り、初めて閲覧するようになった人と合わせると半数を超える。ここ1〜2年の間にブログが急速に普及していることが分かる(図表1-3-14、1-3-15)。
 
図表1-3-14 個人が開設したブログの閲覧頻度
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図表1-3-15 ブログ閲覧者のここ1〜2年でのブログ閲覧の変化
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 最近では、携帯電話端末等を利用して更新するモブログ(moblog)、主に写真画像を更新するフォトログ(photolog)、映像コンテンツのあるブイログ(Vlog)等、文字だけでなく、画像や映像を取り込んだ様々な種類のブログが登場している。
 消費者発信型メディアの急速な普及のもう一つの中心となっているのが、SNSである。SNSは、人と人のつながりといういわば社会的ネットワークをオンラインで提供することを目的とするインターネットサービスということができる。
 SNSを利用している人はインターネット利用者全体に対してまだわずかな割合であり、その8割以上はここ1〜2年で利用し始めていることから、現在は普及進展段階であるといえる(図表1-3-16、1-3-17)。
 
図表1-3-16 インターネット利用者数に占めるSNS利用者数の割合
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図表1-3-17 SNSの利用歴
図表1-3-17 SNSの利用歴
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 さらに、多くのSNSでは、既存加入者からの招待がなければ加入できない仕組みを採っており、加入者間で一定の信頼性が確保されていると見られることから、実名で情報を発信する人も多い。また、登録した自分の情報を公開する範囲を限定したり、発信した情報を誰が見たか確認したりすることができるなど、これまでオープンかつ匿名を特徴としてきたインターネットの世界において、SNSは新たなサービス領域を形成しているともいえる。

 第3節 情報通信と社会生活

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