平成19年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

(4)地方公共団体による公的個人認証サービス

ア 公的個人認証サービスの概要
 インターネット上におけるデジタル文書については、文書作成者の特定が困難であり、改ざんされてもこん跡が残らないといったデジタル文書特有の問題があることから、他人になりすまされたり、文書の内容を改ざんされたり、送信者に送信を否認されたりするなどの危険性がある。行政手続等のオンライン化を促進し、電子政府・電子自治体を実現するためには、こうした問題を解決する必要があることから、「電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律」(平成14年法律第153号)に基づき、平成16年1月から、地方公共団体による公的個人認証サービスの提供が開始された。公的個人認証サービスの電子証明書は、有効期間が3年間、発行手数料が500円となっており、市区町村の窓口で厳格な本人確認を受けた上で、住民基本台帳カード等のICカードに格納され、発行を受けることができる。住民はICカードに格納された秘密鍵を用いて電子署名を行い、電子証明書とともに送信することにより、行政機関等にオンライン申請をすることが可能となる。
 公的個人認証サービスを利用して申請等を行うことができる手続としては、国税の申告、不動産登記申請等、平成19年2月現在で、国では12府省庁、地方公共団体では47都道府県及び一部市区町村の手続が対象となっているところであり、今後、国及び地方公共団体の各種手続においても、公的個人認証サービスの利用が順次拡大される見込みである。
 
図表3-4-10 公的個人認証サービス
図表3-4-10 公的個人認証サービス

イ 公的個人認証サービスの利用・活用の推進
 総務省は、公的個人認証サービスの利用・活用を推進するため、次の施策に重点的に取り組んでいる。
[1] IT新改革戦略において、全都道府県において平成20年度までに、全市町村において平成22年度までに公的個人認証サービスに対応した電子申請システムを整備するという目標が明記されていることを踏まえ、公的個人認証サービスに対応した行政手続の増加を図るため、各府省への働きかけや地方公共団体への支援を実施。
[2] 公的個人認証サービスの電子証明書の有効性を確認できる者の範囲について、行政機関等のほか、司法書士、行政書士等の行政手続等の代理を行う者や公証人等の行政手続等に必要な添付書類を発行する者が、連合会等の所属団体を通じて電子証明書の有効性確認をできるようにするため、政府として「電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律」の一部改正法案を第164回国会に提出(同法案は平成18年5月に成立)
[3] 公的個人認証サービスの新たな活用方策として、携帯電話・電子ロッカーを利用した無人での交付物の受け渡しや電子錠端末を利用した入退室管理等、モデルシステムの開発・実証を実施。平成18年度は、複数の地方自治体で、電子ロッカーによる交付物の自動受取等の多面的な活用方策を可能とするモデルシステムの開発・実証を実施。
[4] 平成18年11月から「公的個人認証サービスの利活用のあり方に関する検討会」を開催し、主として制度・運用面から、電子証明書の有効性を確認できる者の範囲のあり方、電子証明書の多面的な活用方策に係る課題等について検討を実施。

 第4節 豊かで活力あるユビキタスネット社会の構築

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