平成19年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

3 行政情報化の推進

(1)電子政府の実現〜利用者本位の簡素で効率的な政府の実現〜

ア 行政の情報化の総合的・計画的推進
 電子政府に関しては、これまで「電子政府構築計画」(平成15年7月各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定、平成16年6月一部改定)、「今後の行政改革の方針」(平成16年12月閣議決定)、「IT政策パッケージ-2005」(平成17年2月IT戦略本部決定)等に基づき、国民の利便性・サービス向上、ITを活用した業務改革、電子政府の推進体制の整備・充実等のための取組を行ってきており、「IT新改革戦略」(平成18年1月IT戦略本部)においても、ITの構造改革力を追求する政策の一つとして、「世界一便利で効率的な電子行政」の実現が掲げられたところである。
 国民の利便性・サービスの向上については、平成17年度における申請・届出の行政手続のオンライン化件数は13,719件(オンライン化率96.2%)、申請・届出以外の行政手続のオンライン化件数は10,695件(オンライン化率65.0%)となっている(図表3-4-4)。また、独立行政法人が扱う行政手続については、平成17年度における申請・届出に関する行政手続のオンライン化件数は175件(オンライン化率12.0%)、申請・届出以外の行政手続のオンライン化件数は159件(オンライン化率7.0%)となっている。
 
図表3-4-4 国の行政機関が扱う行政手続のオンライン化件数の推移(左:申請・届出、右:申請届出以外)
図表3-4-4 国の行政機関が扱う行政手続のオンライン化件数の推移(左:申請・届出、右:申請届出以外)
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 ITを活用した業務改革及び電子政府の推進体制の整備・充実等については、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」(平成18年7月閣議決定)において、電子政府に関しても徹底した歳出削減に取り組むべきこと等が示されており、IT新改革戦略及び「重点計画−2006」(平成18年7月IT戦略本部)等においても、国民・企業等による電子政府の利用が進んでいないことや、ITの活用が業務改革に十分結びついていないこと、また、その実施体制が不十分であることが課題とされ、行政分野におけるIT活用は、経費の削減、業務処理時間・定員の削減等業務の効率化等行財政改革に資するものであることが前提であることがうたわれている。そのため、「業務・システム最適化計画」及び「オンライン利用促進のための行動計画」等に基づいて、電子政府関係施策を着実に実施すること、各施策の実施、評価、見直しを行うための体制の充実・強化等を図ることとされたところである。また、電子政府の施策の実施に当たっては、信頼性・安全性の確保に向けた取組を推進することとされた。
 各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議は、平成18年8月、今後の電子政府に係る各種施策について、IT新改革戦略等に基づき、PDCAサイクルの確立により着実に実施し、成果を確実なものとするため、「電子政府推進計画」を策定した。同計画においては、平成22年度までに達成すべき目標や目標達成のための諸施策を明らかにするとともに、各施策の具体的な工程を示している。
 同計画は、達成すべき目標として、
[1] 利用者視点に立った手続の見直し・改善等を進め、国に対する申請・届出等手続のオンライン利用率を50%以上とすること
[2] 業務・システム最適化の着実な実施による行政運営の簡素化・効率化・合理化を図るため、システム運用経費の削減や業務処理時間の削減等最適化の効果の可能な限り早期の実現を図るとともに、更なる効果の向上を図ること
[3] 個々の業務・システムや府省内における最適化にとどまらず、簡素で効率的な政府の構築を図るため、政府全体として、業務・システムの共通化、集中化、共同利用化等の更なる最適化を推進すること
[4] 情報システムの高度化を図るとともに、安全性・信頼性を確保すること
が挙げられており、総務省としても、電子政府推進計画に沿って、行政の情報化を着実に推進していくこととしている。

イ 調達手続の電子化
 政府調達(公共事業分野を除く)手続の電子化は、平成11年12月までのバーチャル・エージェンシー(省庁連携タスクフォース)の検討や当時の高度情報通信社会推進本部での決定以来、内閣官房及び総務省が中心となり、全省庁が参加する「政府調達(公共事業分野を除く)手続の電子化推進省庁連絡会議」において検討、推進されている。
 具体的には、平成13年1月から政府統一の競争入札参加資格に係る新システムの運用を、同年6月からは各省庁の調達情報を一括提供する統合データベースの運用を開始した。入札・開札の電子化についても、総務省等にて先行的にシステム構築し、その他各省庁を含め平成15年度末までにそれぞれ導入済みとなっている。
 契約の電子化に向けては、平成15年9月から総務省において「政府調達(公共事業分野を除く)における契約の電子化のあり方に関する検討会」を開催し、CIO連絡会議との連携を図りつつ検討を進め、平成17年4月に契約業務の現状及び電子化の在り方、システム実現に向けた行動計画等について最終報告を取りまとめた。
 総務省では、同報告書やCIO連絡会議で決定された最適化計画を踏まえ、全府省で共同利用する電子契約システムについて、各府省と調整しつつ設計作業を実施したところであり、平成19年度以降、システム開発に取り組み、連携する他の府省共通システムの構築に合わせて運用開始を図ることとしている。また、現在各府省で個別運用されている電子入札システムについても、これと同時期にシステムの統合化、共同利用化を行い、将来的なシステム運用、保守の効率化等を目指す予定である。
 なお、このような情報システムに係る調達改革としては、電子政府推進計画において、技術力のある企業に対する競争参加機会の拡充や分離・分割調達の推進などを含む基本指針を平成18年中に策定するとされたことを受け、CIO連絡会議の下、総務省が中心になって、平成19年3月に「情報システムに係る政府調達の基本指針」が策定されたところである。

 第4節 豊かで活力あるユビキタスネット社会の構築

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