平成15年版 情報通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
トップページへ戻る
操作方法


目次の階層をすべて開く目次の階層をすべて閉じる

第1章 特集「日本発の新IT社会を目指して」

(5)第3世代携帯電話の展開

3グループによる競争が本格化

1 第3世代携帯電話の普及状況と課題

 我が国では、早期より第3世代携帯電話の実用化に向け、標準化や制度整備等を推進してきており、平成13年10月にNTTドコモグループがW-CDMA方式の第3世代携帯電話を世界で初めて開始したのに続き、平成14年4月にKDDIグループが、同年12月にJ-フォンがそれぞれサービスを開始した。これにより、3グループすべてによる第3世代携帯電話サービスが始まった。今後、3グループの競争が進み、最大2Mbpsの高速データ通信、世界中どこでも使えるグローバルサービス、動画伝送等の第3世代携帯電話のスペックを活かしたサービスの展開が期待される。
 平成14年度末において、第3世代携帯電話の契約数は716万契約となり、順調に増加している。このうち、KDDIグループの採用したCDMA2000方式が681万契約と大半を占めている(図表1))。CDMA2000方式が普及した要因としては、サービス開始当初から従来のサービスに近いエリアでサービスを開始できたことなどが指摘されている。KDDIグループでは、最大2.4Mbpsの伝送速度を実現する、CDMA2000 1xEV-DOの試験サービスを平成15年4月から東京都内の一部エリアで行っている(試験サービスは10月までの予定)。
 W-CDMA方式を採用するNTTドコモグループとJ-フォンにおいても、待ち受け時間、端末の大きさ、重さ、さらに動画メール等の機能面で端末の改善を進めている。また、平成15年度末には、サービスエリアの人口カバー率を第2世代並に広げる計画である(図表2))。

 
図表1) 第3世代携帯電話の契約数の推移

図表1) 第3世代携帯電話の契約数の推移
Excel形式のファイルはこちら

最新のデータはhttp://www.tca.or.jp/japan/database/daisu/index.htmlにより入手可能です。
 
図表2) 第3世代携帯電話のサービス拡大のスケジュール

図表2) 第3世代携帯電話のサービス拡大のスケジュール

2 諸外国の動向

 2002年度末までに第3世代携帯電話のサービスを開始している国は、26か国である。このうち、W-CDMA方式で開始している国は我が国のほか、イギリス、イタリアであり、CDMA2000方式で開始した国は、我が国のほか23か国である。欧州では、周波数オークションの落札額の支払い負担等により、通信事業者の業績が悪化し、第3世代携帯電話の導入を遅らせる事業者が相次いだ(1-2-1(2)参照)。フランス及びドイツでは2003年3月時点では提供されていない(図表3)、4))。
 契約数では、世界共通の周波数帯である2GHz帯を中心としてW-CDMA及びCDMA2000の両方式でサービスを提供している我が国と800MHz帯CDMA2000方式のみでサービスを提供している韓国との両国で、全世界約4,400万契約の約6割を占めている(図表5))。

 
図表3) 第3世代携帯電話サービスの開始国(2002年度末)

図表3) 第3世代携帯電話サービスの開始国(2002年度末)

 
図表4) 主要国の第3世代携帯電話サービスの実施状況

図表4) 主要国の第3世代携帯電話サービスの実施状況
Excel形式のファイルはこちら


 
図表5) 世界の第3世代携帯電話の契約数と国際比較(2002年度末)

図表5) 世界の第3世代携帯電話の契約数と国際比較(2002年度末)
Excel形式のファイルはこちら


関連ページ:第4世代移動通信システムの導入に用いた取組については、3-3-1(4)参照

 

テキスト形式のファイルはこちら

(4) 携帯インターネットの発展 に戻る (6) 放送のデジタル化 に進む