平成15年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

コラム1

超広帯域無線方式(UWB)

−無線による超高速通信の実現

超広帯域無線方式(UWB:Ultra Wideband)とは、パルス状の電波を発射するなど数GHz幅以上の非常に広い周波数帯域にわたって電力を放射するシステムで、100Mbps規模の高速通信を可能にする無線方式である(図表1))。また、同方式により正確な測位も可能とされる。米国では、2002年2月にFCC(Federal Communications Commission:連邦通信委員会)が暫定基準を策定し、一定条件の下での使用が許可されている。
 超広帯域無線方式で用いる電波のレベルはかなり弱く、情報が届く範囲は10m程度である。用途としては、今後、WPAN(注)(Wireless Personal Area Network)への応用が期待されている。具体的には、デジタルテレビやビデオの動画像・大容量データの高速伝送、測位・測定を必要とする分野での利用が考えられている(図表2))。
 ただし、既存の無線システムの使用帯域に重畳して電波を発射するため、その導入に当たっては、超広帯域無線システムが発射する電波の周波数帯域の中で電波を使用している他の無線システムとの間で周波数共用条件を検討する必要がある。
 総務省では、平成14年9月に情報通信審議会に諮問し、技術的条件の検討を行っている。また、独立行政法人通信総合研究所が「UWB研究開発プロジェクト」を設置し、関連技術の研究開発を実施している。

 
図表1) UWB無線システムの周波数使用イメージ

図表1) UWB無線システムの周波数使用イメージ

 
図表2) UWB無線システムの利用イメージ

図表2) UWB無線システムの利用イメージ



(注)WPAN(Wireless Personal Area Network)
 LAN(Local Area Network)より狭い範囲の無線ネットワーク。個人が操作している機器同士等が通信するネットワークで、具体的にはPDA(携帯情報端末)や周辺機器間の近距離無線ネットワーク

 

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