平成15年版 情報通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
トップページへ戻る
操作方法


目次の階層をすべて開く目次の階層をすべて閉じる

第3章 情報通信政策の動向

(2)電気通信役務利用放送の制度化

ADSLを使った放送も開始

 近年、通信衛星、光ファイバ等による電気通信回線の広帯域化が急速に進展し、電気通信事業者の広帯域な電気通信回線を通信だけでなく放送にも利用することが可能になっている。このように、通信と放送の伝送路の融合が進展してきていることに対応するため、電気通信役務を利用した放送を制度化する「電気通信役務利用放送法」が平成14年1月から施行されている(図表)。

 
図表 電気通信役務利用放送法の概要

図表 電気通信役務利用放送法の概要

 従前のCS放送では受委託制度を採用しており、放送用の周波数については総務省が指定し、受託放送事業者の衛星中継器を通信用・放送用に分離することとしていた。また、委託放送事業者については、外国資本等が制限されており、放送用周波数の枠内で認定し、参入希望者がこの枠を越える場合には比較審査を行っていた。これに対し、本法においては、衛星事業者は需要に応じて通信用・放送用に柔軟に設備を提供できるとともに、参入希望者は一定の適格性があればすべて登録することが可能となり、比較審査及び外資規制は撤廃された。
 また、ケーブルテレビ事業者は、これまでは電気通信事業者の設備を利用して放送を行う場合、あらためて有線テレビジョン放送法上の許可が必要とされていたが、本法においては、この許可が不要となり、参入希望者は一定の適格性があればすべて登録することが可能となっている。
 本法の施行により、参入の容易化による事業者の多様化や、多彩な番組の提供等が期待される。特にケーブルテレビにおいては、電気通信事業者の回線が利用による初期投資の負担軽減、サービス提供地域の広域化等が期待されている。
 平成14年度末で、衛星役務利用放送を行う事業者24社、有線役務利用放送を行う事業者2社が登録されている。平成15年3月には、本法に基づき、ADSLを用いた有線テレビジョン放送が開始された。

 

テキスト形式のファイルはこちら

第3章第3節3(1)通信・放送融合に資する技術開発の促進 に戻る 第3章第4節1 IT投資促進税制の創設 に進む