平成15年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

(3)料金政策の推進

携帯電話料金の設定の在り方の検討とプライスキャップの見直し

1 携帯電話料金の設定の在り方の検討

 平成14年11月、総務大臣は、電気通信事業法第39条第3項に基づく平成電電からの申請に対し、いわゆる直収の固定電話発携帯電話着の料金設定について、平成電電が利用者料金を設定することが適当である旨の裁定を行った。また、中継接続の場合の固定電話発携帯電話着の料金設定については、当事者間で十分協議が行われていなかったことから裁定を行わなかった。
 中継接続の場合の料金設定については、今後事業者間で協議が調わないことが想定され、また、裁定に先立ち当該案件を諮問した電気通信事業紛争処理委員会からは、中継について適正な料金設定の仕組みを検討・整備するよう勧告を受けた。
 さらに、IP電話から携帯電話に通話した場合の料金設定についても、今後のIP電話の普及のため、その料金設定事業者の検討が必要となっている。
 このため、総務省では、平成14年12月から「料金設定の在り方に関する研究会」を開催しており、研究会では、1)中継接続の場合の携帯電話料金設定、2)IP電話発携帯電話着の料金設定について検討を行っている(図表)。

 
図表 「料金設定の在り方に関する研究会」で検討を行う接続形態

図表 「料金設定の在り方に関する研究会」で検討を行う接続形態

2 プライスキャップの生産性向上見込率の見直し

 我が国の電気通信市場では、新規参入者の着実な増加に伴い、競争が急速に進展しつつあるが、一部の事業者による独占的なサービス提供が行われ、競争が不十分な分野においては、市場メカニズムを補完するため、行政による一定の規制が必要である。総務省では、競争が十分に進展していないサービスであって、利用者の利益に及ぼす影響が大きいものについて、平成12年10月から上限価格(プライスキャップ)方式による料金制度を導入している。上限価格方式においては、上限価格以下の料金は届出とされる一方、上限価格を超える料金は認可が必要である。上限価格を設定するために必要な生産性向上見込率(X値)については、3年ごとに見直しが行われることとなっており、総務省では、次期(平成15年10月からの3年間)に適用される生産性向上見込率を算定し、平成15年10月1日から1年間適用される料金水準の上限(基準料金指数)について、平成15年4月に情報通信審議会に諮問を行った。今回諮問を行った基準料金指数は、音声伝送サービスで現行料金指数を維持するものとし、専用サービスでは現行料金指数を若干引下げるものとなっている。

 
参考:「料金設定の在り方に関する研究会」
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