平成15年版 情報通信白書

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第1章 特集「日本発の新IT社会を目指して」

(2)食品トレーサビリティシステム

約1,000億円相当のニーズ

 近年、食中毒や異物混入等、消費者の食品に対する信頼性を損なうような問題が頻発している。また、食品の産地偽装やラベル張り替え等の虚偽表示も、大きな問題となった。
 これらの問題に対し、各食品についての詳細な情報を消費者に提供するとともに、事故発生時の原因究明や問題食品の回収を容易にするシステムとして、食品トレーサビリティシステムが提案されている。食品トレーサビリティシステムとは、生産段階で各食品を識別できるIDを食品ごとに付与して、生産、流通、加工、販売の各段階における各種情報をサーバに蓄積しておき、誰でもそのIDを元にインターネットを使ってその食品の流通経路をトレース(追跡)できるようにするシステムである(図表1))。

 
図表1) 食品トレーサビリティシステムの概要

図表1) 食品トレーサビリティシステムの概要

 平成14年度には、農林水産省において、食品トレーサビリティシステムの実証実験を行っているほか、個々の企業・業界団体でもこうしたシステムに対する取組を進めている(図表2))。
 食品トレーサビリティシステムに対する消費者の利用意向調査を行ったところ、33.6%の人がこのシステムを利用した食品を、一般の食品より高い価格でも購入したいと答えている。この結果に基づき推計すると、食品トレーサビリティシステムに対するニーズは1,042億円に相当する。また、仮に購入希望者の負担によりこのシステムを維持するとした場合、1商品当たり11.7円前後でシステムを構築できれば、このシステムは実現可能となる(図表3))。

 
図表2) 企業等の取組事例

図表2) 企業等の取組事例
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図表3) 食品トレーサビリティを利用した食品に対する利用意向

図表3) 食品トレーサビリティを利用した食品に対する利用意向
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(注)推計方法については、資料1-3-1参照

 

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