平成3年版 通信白書

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第2章 豊かな生活と情報通信

(2)産業の情報化と新しい情報通信サービスに対するニーズ

 ネットワーク化の進展に伴い、産業分野における情報通信サービスに対するニーズもますます多様化しつつある。こうした中で、「工場や研究所は地方に立地している場合が多いが、新しい情報通信サービスが提供されていない。」(自動車製造業者C社)、「地方に立地する企業にとって情報通信基盤の整備は都市部との競争に不可欠であり、格差を早く是正してほしい。」(繊維染色業J社)等、ISDN等の新しい情報通信サービスの全国的な基盤整備を望む声も多く聞かれる。
 ネットワーク化動向調査の結果により、産業分野におけるISDNの各サービス別の利用動向についてみると,最も普及している「INSネット64」を「現在利用している」企業の比率は従業員千人以上の企業で22.6%、従業員千人未満の企業で1.2%となっているなど、その利用状況には企業の従業員規模によって歴然とした差があり、特に「INSネット1500」及び「国際ISDN」については、従業員千人未満の企業における利用意向はほとんどみられない(第2-2-24図参照)。
 また、ISDNを利用する理由については、「通信速度が早いから」、「回線使用料が安いから」が上位を占めており、情報通信サービスに対する「高速化」及び「経費の縮小化」といった産業分野のニーズが反映されている(第2-2-25図参照)。
 次に、ISDNの用途については、「データ通信」が圧倒的に多く、9割以上の企業が選択している(第2-2-26図参照)。
 その他の用途についてみると、「電話」及び「ファクシミリ」については従業員千人未満の企業の方が回答比率が高く、「静止画通信」及び「動画通信」の画像通信については従業員千人以上の企業の方が回答比率が高くなっているなど、企業の規模によってニーズに差があることがわかる。
 ISDNを中心とした産業分野におけるニーズに呼応した情報通信技術の動向については第4節で概観する。

第2-2-24図 ISDNの利用動向

第2-2-25図 ISDNを利用する理由

第2-2-26図 ISDNの用途

 

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