平成20年版 情報通信白書

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第1章 活力あるユビキタスネット社会の実現

(4)メディアに対する評価

 次に、それぞれのメディアに対して、実際にそのメディアを利用している人がどのように評価しているかを尋ねた結果をまとめたものが図表1-3-2-5である。
 
図表1-3-2-5 メディアに対する評価
図表1-3-2-5 メディアに対する評価
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 若年層で「娯楽性がある」メディアとして最も高く評価されているものは、テレビであった。また、「情報が多い(以下「多量性」という。)」、「役に立つ(以下「有用性」という。)」、「すぐに手に取りやすい(以下「簡便性」という。)」、「自分の考えや意見を誰かに伝えたり、共有できる(以下「共有性」という。)」、「速報性がある」メディアとしては、パソコンが、「正確性がある」、「身近な情報を扱っている(以下「親近性」という。)」メディアとしては、新聞が、それぞれ最も高く評価されている。また、全体的には、パソコンに対する評価が比較的高い傾向にある。
 勤労者層と家庭生活者層は、同じような傾向の評価をしており、「娯楽性」、「共有性」に対する評価が最も高かったメディアはテレビ、「多量性」、「有用性」、「簡便性」、「速報性」に対する評価が最も高かったメディアはパソコン、「親近性」、「正確性」に対する評価が最も高かったメディアは新聞であった。
 また、高齢者層では、「娯楽性」、「共有性」、「速報性」に対する評価が最も高かったメディアはテレビ、「多量性」に対する評価が最も高かったメディアはパソコン、「有用性」、「簡便性」、「親近性」、「正確性」に対する評価が最も高かったメディアは新聞であった。他の世代と比べると、高齢者層ではテレビ及び新聞に対する評価が比較的高いといえる。
 これらの結果をメディア別に整理してみると、テレビは、どの世代においても「娯楽性」に対する評価が最も高く、気軽に楽しめるメディアとして位置付けられていることが分かる。しかしながら、若年層では、他の世代に比べてその度合は低くなっている。
 新聞は、すべての世代において、「正確性」、「親近性」に対する評価が最も高くなっている。若年層と高齢者層の回答の傾向を比較してみると、高齢者層では、「娯楽性」、「速報性」を除くすべての特性に対して比較的高い評価を与えている一方、若年層では、「親近性」、「正確性」以外の特性に対しては、それほど高い評価をしていない。
 雑誌・書籍は、すべての世代において、いずれの特性も低い評価にとどまっている。
 ラジオも、雑誌・書籍と同様、すべての世代において、いずれの特性も比較的低い評価にとどまっている。
 パソコンは、すべての世代において「多量性」に対する評価が最も高くなっている。また、若年層、勤労者層、家庭生活者層においては、「有用性」、「簡便性」、「速報性」に対する評価も高くなっている。
 携帯電話は、勤労者層、家庭生活者層、高齢者層において、すべての特性に対し全般的に低い評価にとどまっている一方、若年層は、「共有性」、「簡便性」に対して比較的高い評価を与えている。
 以上の回答結果から考えると、テレビは娯楽性があるメディアとして、また、新聞は親近性、正確性があるメディアとしての評価が確立しており、国民生活の中で今後もこうした特性を生かした役割を果たしていくと考えられる。一方、全般的に評価が低かったラジオや雑誌・書籍は、(1)及び(2)で見たとおり、若年層を中心にその利用が減少しつつあり、将来的には、更に利用が減ることも予想される。
 一方、利用が増加傾向にあるパソコンについては、多量性、有用性、簡便性、速報性が、また、若年層で特に多用されている携帯電話については、共有性、簡便性が評価されており、今後、パソコンや携帯電話を軸にメディアの利用が拡大することが期待される。

 第3節 ユビキタス化がもたらす新たな国民生活

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