平成16年版 情報通信白書

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第1章 特集 「世界に拡がるユビキタスネットワーク社会の構築」

3 ユビキタスネットワークへの進化

いつでも、どこでも、何でも、誰でもがネットワークに

 我が国は、世界で最も低廉かつ高速なブロードバンドインフラが整備され、ブロードバンド利用者は順調に推移している。携帯電話等のモバイル端末の利用状況では、インターネット対応端末やカメラ付き端末に代表される高度化されたサービスの普及が進展しており、公衆無線LANサービス等の提供エリアが拡大される等、いつでもどこでもインターネットに接続できる環境が整備されつつある。このようにネットワークにおいては、ブロードバンド化とモバイル化が大きく進展している。
 一方、端末の面では、地上デジタルテレビジョン放送の開始により、今後、各家庭において高品質なテレビ映像の受信が普及するとともに、インターネットと連携した放送番組やテレビ画面を通じたインターネットへの接続等インターネットの活用の間口が広がることが予想される。さらに、携帯端末による地上デジタルテレビジョン放送の受信も予定されており、どこでも映像を受信できる環境が整いつつある。
 また、情報家電の実現により、これまで単独で利用されていた家電製品が、ネットワークを通じて相互に接続され、外出先からの操作等ネットワークと連携した便利なサービスが可能となる。同時に、家電製品、パソコン、携帯電話等が家庭内でも連携することで、省エネや効率化、安全の確保、操作の簡便化等も期待される。さらに、ネットワークを活用した電子タグの実用化により、製造・物流・在庫管理の効率化、商品の精算、履歴の管理、盗難・事故の防止、流通・販売・利用・アフターケア・リサイクル等の各分野を統括したモノのライフサイクル全体をカバーする総合的な経営管理を実現することが可能となりつつある。
 今後、さらにIPv6(Internet Protocol version6)への移行の進展など、通信品質の保証やより高いセキュリティが確保できるシームレスな(切れ目のない)ネットワークになることが期待されるとともに、ネットワークに接続できる各種多様な機器を通じて、ネットワークにつながる「人」や「モノ」の状況をリアルタイムに把握することにより、新たな多様なサービスの提供が期待される。
 これらのネットワーク、アプリケーション、端末等がお互いに好循環を招き、いつでも、どこでも、何でも、誰でもがネットワークに接続され、情報の自在なやりとりを行うことのできるユビキタス(注)ネットワークが実現に向かいつつある(図表[1]、[2])。

 
図表[1] ユビキタスネットワークの実現イメージ

図表[1] ユビキタスネットワークの実現イメージ

 
図表[2] ユビキタスネットワークへの進化イメージ

図表[2] ユビキタスネットワークへの進化イメージ


(注)「ユビキタス(Ubiquitous)」とは元来ラテン語で「遍在する(いたるところに存在する)」という意味

 

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