平成16年版 情報通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
目次の階層をすべて開く目次の階層をすべて閉じる

第1章 特集 「世界に拡がるユビキタスネットワーク社会の構築」

(2)インターネットの利用状況

インターネットは迅速な情報入手手段として定着、携帯インターネットも利用が拡大

1 インターネットの利用状況

(1)インターネットの利用状況

 インターネットの利用状況を利用経験からみると、インターネット利用者のうち「5年以上」の利用経験があると答えた人は27.8%であり、次いで「3〜5年未満」(28.9%)、「2〜3年未満」(21.9%)、「1〜2年未満」(11.5%)と答えており、約9割の人が1年以上の利用経験を有している(図表[1])。

 
図表[1] インターネット利用年数

図表[1] インターネット利用年数
Excel形式のファイルはこちら


(2)インターネットの利用用途

 インターネットの利用を始めたきっかけとしては、5割以上の利用者が「情報を収集したいと思ったから」、「仕事や学業のために必要であったから」と答えており、インターネットは主に情報収集を目的として利用が始まっている(図表[2])。

 
図表[2] インターネット利用開始の動機(複数回答)

図表[2] インターネット利用開始の動機(複数回答)
Excel形式のファイルはこちら


 自宅のパソコンからのインターネット利用用途で最も多いのが連絡手段としての「電子メール」(57.6%)であり、次いで、情報収集のための「商品・サービス等の情報検索」(57.4%)、「ニュース等の情報入手」(48.7%)のほか、「商品・サービス購入」(36.8%)が高い割合で利用されている(図表[3])。

 
図表[3] パソコンからのインターネットの利用用途(複数回答)

図表[3] パソコンからのインターネットの利用用途(複数回答)
Excel形式のファイルはこちら


 一方、情報収集に関して、インターネットと他の情報収集手段が、それぞれどのような用途に用いられているかを比べると、従来、主たる情報源であった「テレビ」、「新聞」は、時事を中心とするニュース情報を入手するため、また、ある程度まとまった情報が入手できる「雑誌・書籍」は、勉強や趣味、旅行など蓄積された情報の入手に利用されるなど、特化した目的のために利用されている傾向がある。それに比べ「インターネット」は、生活や仕事、余暇を含めて幅広い分野での情報収集に高い割合で利用されており、ネットワークを通じて、散在する多種多様な情報を選択的に入手・活用する手段として利用されている(図表[4])。

 
図表[4] 情報メディア別の情報収集用途(複数回答)

図表[4] 情報メディア別の情報収集用途(複数回答)
Excel形式のファイルはこちら


 インターネットによる情報収集に対する考え方については、インターネット利用者のほとんどがインターネットの迅速性を評価(98.4%)しており、インターネットを利用して情報の検索や収集を行う際には、最初の手段として利用(93.5%)されている。また、以前と比較して、情報に対する信頼も高い(88.4%)(図表[5])。

 
図表[5] インターネットでの情報収集に対する考え方

図表[5] インターネットでの情報収集に対する考え方
Excel形式のファイルはこちら


(3)インターネットの利用頻度

 情報通信技術の進展やネットワークサービスの展開に伴い、インターネットへの常時接続が可能なサービスが提供されているほか、自宅以外の場所においても高速インターネットへの接続が可能となるなど、インターネットの利用は時間的にも空間的にも拡がりを見せており、利用頻度も増加する傾向にある。
 自宅のパソコンからのインターネット利用者のうち、1回当たりのインターネットの平均利用時間の変化を平成14年末と15年末でみると、「10分未満」の短時間でのインターネット利用者は、対前年比1.9ポイント減の18.1%となっている。一方、1時間以上の長時間の利用者は、「1〜2時間」が9.4%(対前年比1.3ポイント増)、「2時間以上」が5.8%(同0.5ポイント増)にそれぞれ増加している(図表[6])。常時接続可能な通信サービスや定額制の料金設定の普及等が進み、利用者が時間に制限されることなくインターネットを利用することが可能となり、インターネットの利用時間が全体的に長くなっていると考えられる。

 
図表[6] 自宅のパソコンからの1回当たりのインターネット平均利用時間

図表[6] 自宅のパソコンからの1回当たりのインターネット平均利用時間
Excel形式のファイルはこちら


 外出先においてインターネットを利用する人のうち、携帯電話・PHS以外のインターネット接続機器として、「ノートパソコンや携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)」を利用している人は10.6%、「インターネットカフェ等」での利用者は8.8%となっている。また、携帯インターネット以外で、外出先におけるインターネットの利用頻度は、「1日に数回」利用している人が17.8%、「1日に1回」の利用者が12.2%、「週に数回」の利用者が16.0%となっている。外出先におけるインターネット利用者のうち6割の人が週1回以上外出先でインターネットを利用しており、外出先においても、高い頻度でインターネットが利用されている(図表[7])。

 
図表[7] 外出先でのインターネット利用状況

図表[7] 外出先でのインターネット利用状況※
Excel形式のファイルはこちら


2 携帯インターネットの利用状況

(1)携帯電話・PHSの利用状況

 携帯電話・PHSを利用している人の平均利用年数は5.7年であり、利用年数が「10年以上」の利用者は7.8%、「5〜10年未満」の利用者は47.6%と、携帯電話・PHSの普及が急激に拡大した平成10年頃から利用を開始している人が多いと考えられる(図表[8])。

 
図表[8] 携帯電話・PHSの利用年数

図表[8] 携帯電話・PHSの利用年数
Excel形式のファイルはこちら


 携帯電話・PHSの利用を始めたきっかけとしては、「どこからでも電話ができる」(47.3%)ことや、「周囲の友人の影響」(42.4%)、「緊急の電話の受信」(34.5%)という理由が挙げられており、居場所や時間にかかわらず通話が可能であるという携帯電話・PHSの利便性に注目していることが考えられる(図表[9])。

 
図表[9] 携帯電話・PHSの利用開始理由(複数回答)

図表[9] 携帯電話・PHSの利用開始理由(複数回答)
Excel形式のファイルはこちら


 携帯電話・PHSを買い替える際に重視することとして、現在2台目の携帯電話・PHSを利用している人は、買い替えの理由として「メール機能が充実しているから」を挙げる人が28.9%と最も多く、次いで端末の料金が安いこと(24.1%)を挙げている。一方、5台以上の買い替え経験がある人は、「カメラが付いているから」、「新しい機種が発売されたから」、「端末の液晶画面がきれいだから」、「端末のデザインが気に入ったから」といった新たな機能や魅力の増加を買い替えの理由としており、最初の携帯電話から2台目に買い替える際には通話からメール機能へ、5台以上の多くの携帯電話を利用してきた人は、カメラの機能など、携帯電話・PHSに求める機能も高度化していると考えられる(図表[10])。

 
図表[10] 携帯電話・PHSの利用実績と買い替えの理由(複数回答)

図表[10] 携帯電話・PHSの利用実績と買い替えの理由(複数回答)
Excel形式のファイルはこちら


(2)携帯インターネットの利用用途

 携帯電話・PHSからインターネットを利用している人に利用用途を尋ねたところ、「電子メール」が74.3%と最も多く、次いで「音楽のダウンロード・視聴」(50.1%)、「画像のダウンロード」(32.9%)、「ニュース等の情報入手」(26.4%)となっている(図表[11])。

 
図表[11] 携帯電話・PHSからのインターネットの利用用途(複数回答)

図表[11] 携帯電話・PHSからのインターネットの利用用途(複数回答)
Excel形式のファイルはこちら


 また、人との連絡手段を1年前と比較した場合、携帯電話・PHSの通話、携帯電話・PHSのメールの利用が増えたと答えた人が多く、携帯電話・PHSを連絡手段として活用する傾向が強まっている(図表[12])。

 
図表[12] 1年間で変化した人との連絡手段(複数回答)

図表[12] 1年間で変化した人との連絡手段(複数回答)
Excel形式のファイルはこちら


(3)携帯インターネットの利用頻度

 携帯電話からインターネットを利用している人に、1年前と現在の携帯電話・PHSの利用料金の比較について尋ねたところ、約4割の人が「かなり増えた」又は「やや増えた」と回答している。また、1か月当たりの利用料金は、携帯インターネット利用者は8,759円、携帯インターネット未利用者は7,146円であり、約1,600円の開きが生じており、携帯インターネットの利用者は、未利用者に比べ支払い金額が多い。また、利用料金を年代別に見ると、「20〜29歳」が9,845円と最も高く、「15〜19歳」の8,244円、「30〜39歳」の8,051円と続いている。「60歳以上」の携帯電話利用者の1か月当たりの利用料金は6,660円であり、20代の利用者と3,185円の差がある(図表[13]、[14])。

 
図表[13] 1年前と比較した携帯電話・PHSの利用料金

図表[13] 1年前と比較した携帯電話・PHSの利用料金
Excel形式のファイルはこちら


 
図表[14] 携帯電話・PHSの1か月当たりの利用料金

図表[14] 携帯電話・PHSの1か月当たりの利用料金
Excel形式のファイルはこちら


 携帯電話・PHSからのウェブコンテンツの利用頻度は、「毎日利用」している利用者が20.9%、「週に1回以上」が62.1%となっている一方、「月に1〜2回」が17.3%、「月に1回より少ない」が12.0%となっている。利用頻度は一定の傾向はなく、利用者によって多様となっている(図表[15])。

 
図表[15] 携帯電話・PHSからのウェブコンテンツ利用頻度

図表[15] 携帯電話・PHSからのウェブコンテンツ利用頻度
Excel形式のファイルはこちら


 

テキスト形式のファイルはこちら

第1章第2節1(1)国民生活に浸透するインターネットの利用 に戻る (3)インターネット利用による国民生活の変化 に進む