平成16年版 情報通信白書

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第1章 特集 「世界に拡がるユビキタスネットワーク社会の構築」

2 国民のネットワーク活用の今後の展望

(1)ネットワークの利用意向

個人の生活様式や志向に応じた新たなネットワークサービスに高い利用意向

1 今後のネットワークの利用意向

 インターネットは、連絡手段や情報の収集等を中心として国民生活の中で広く普及し、利用が拡がっている。現在インターネットを利用している人に、今後どのような目的でインターネットを利用したいか尋ねたところ、個人の私的な利用を中心とする「ウェブコンテンツの閲覧」(69.9%)や、「メールの送受信」(57.1%)に対して高い利用意向が示された。さらに、ネットショッピングや各種予約等の「インターネットを通じたサービス」(54.0%)に対しても利用意向が高い。インターネット利用者は、今後も個人間での情報の受発信やネットワークを通じたサービスの利用を予定しており、個人主体のネットワーク利用が引き続き拡大していくものと考えられる。一方、インターネット未利用者は、「インターネットを通じたサービス」(47.6%)に対しての利用意向が最も高く、サービスを受けることによる生活面での利便性の向上や、趣味・楽しみの増大に対して期待が高いことが示されている(図表[1])。

 
図表[1] 今後のインターネットの利用目的(複数回答)

図表[1] 今後のインターネットの利用目的(複数回答)
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 インターネットを利用する際に、ネットワークへの接続起点となる情報通信機器については、インターネットの利用者・未利用者とも、「機能が充実していること」(利用者46.9%、未利用者43.9%)や、「端末の操作が簡単であること」(利用者31.6%、未利用者46.9%)であることを重視している(図表[2])。インターネットの利用・未利用にかかわらず、個人の利用用途や都合に応じた多様な機能を、過度な負担なく、誰もが簡単な操作で便利に利用できるネットワークの利用環境が望まれている。

 
図表[2] インターネットに接続する情報通信機器について重視する項目(複数回答)

図表[2] インターネットに接続する情報通信機器について重視する項目(複数回答)
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2 ネットワークを利用したサービスに対する考え方

 技術の進展により情報通信機器の小型化や高機能化が進み、個人が常時利用可能な携帯電話・PHSを通じて多様なサービスを利用することが可能となっている。携帯電話・PHSを利用したサービスに関して興味のあるサービスを尋ねたところ、30歳未満では、「音楽配信サービス」、「画像メールサービス(動画・静止画)」、「ゲームサービス」等、娯楽関連のサービスに高い関心が寄せられている。仕事や移動等により時間的な制約が多い30歳代では、主に「テレビ受信サービス」や「画像メールサービス(動画)」等映像関連サービスに関心が高く、40歳以上では、外出時に自分の居場所を特定できる「位置情報サービス」や「テレビ受信サービス」への関心が高い。従来、利用場所や機器が限定されていたテレビや音楽の視聴、情報の収集や連絡手段が、居場所や特定の機器に限定されることなく、普段の行動範囲の中に容易に利用できるサービスとして登場してきている。個人の生活様式や嗜好に応じて、いつでも、どこでも利用できる新たなサービスに対する利用意向も着実に高まっている(図表[3])。

 
図表[3] 携帯電話・PHSを利用したサービスの利用意向(複数回答)

図表[3] 携帯電話・PHSを利用したサービスの利用意向(複数回答)
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 また、ネットワークを通じたサービスの利用に当たり重視する項目については、87.6%の人が個人情報の保護や不正アクセス対策等の「サービスのセキュリティがしっかりしていること」を、86.2%の人が利用手続きや設定等「サービス利用時に手間がかからないこと」を「重視する」又は「やや重視する」と回答している。サービス利用に必要な経費に関して利用者は、サービスの内容・品質に応じた負担には前向きであり、具体的なサービス内容やレベル・範囲が適時・適切に利用者に対して提示されることが求められている。さらに、53.1%の人が必要なサービスに対しては手間を惜しまないとし、一方、52.3%の人が、「意識せずにサービスを利用」することを求めている(図表[4])。

 
図表[4] ネットワークを通じたサービスに対する考え方

図表[4] ネットワークを通じたサービスに対する考え方
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