平成16年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

(2)適切な電波の監視・監理

正しい無線局運用の徹底

1 不要電波問題対策

 電波利用の拡大、各種電子・電気機器の普及に伴い、機器・システムが他の機器・システムから電磁的な妨害を受けることが大きな問題となっている。特に、電子機器から漏えいする電波に対しては、その発生部位や発生状態が把握できないため、経験をもとにした試行錯誤的な対策がとられている。このような問題を抜本的に解決するために、総務省では平成12年度から電子機器から漏えいしている電波の状況を三次元の画像として表示することにより、その発生状況を把握できる技術(電波カメラ)の研究開発を実施している。平成14年度には、高精度電波センサーの開発、センサーの高精度アレイ化の開発、画像信号処理技術の開発、ホログラムを得るための操作方法の開発等を実施している。

2 不法・違法無線局対策

 電波利用の拡大とともに、電波の不適正な利用も増大し電波利用における障害が多発している。このため、平成5年度から、不法無線局の探査等を効果的に行うための電波監視システム(DEURAS:Detect Unlicensed Radio Stations)の整備を進め、電波監視活動を強化するとともに、捜査機関との不法無線局の共同取締を実施している(図表[1]、[2])。

 
図表[1] DEURASの概念図

図表[1] DEURASの概念図

 
図表[2] 電波監視施設設置状況(平成15年度末)

図表[2] 電波監視施設設置状況(平成15年度末)

また、不法・違法無線局の未然防止策として、周知・啓発活動の強化や基準不適合設備の製造販売の防止策等に取り組んでいる。さらに、衛星通信については、近年軌道及び周波数の使用状況が高密度化し、混信等の発生が現実化しているため、宇宙電波監視施設を整備し、平成10年度から静止衛星のL、Ku、Ka帯ダウンリンクの監視を開始している。平成12年度からは監視対象とする周波数帯をS、C帯にも拡張している。

 

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