平成16年版 情報通信白書

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第2章 情報通信の現況

5 EUのIT政策の動向

電気通信規制パッケージに対応した法整備が各国で進められる

1 「eEurope 2005アクションプラン」

 2002年6月、欧州理事会は、「eEurope 2005アクションプラン(すべての市民のための情報社会)」を採択した。
 本計画は、全欧州においてインターネットの普及を目指した「eEurope 2002アクションプラン」を引き継ぐものであり、[1]民間投資の環境整備や新たな仕事を創り出すこと、[2]生産性を高めること、[3]公共サービスや教育の革新を図ること、[4]グローバルな情報社会に誰もが参加する機会を得られるようにすることを目的としている。また、明確な目標を設定して進捗状況をベンチマークしつつ、新たな法的枠組みの採用を加速・調整している。
 2005年までに欧州として実現すべき課題として、[1]オンライン上の公共サービス、特に電子政府(e政府)・電子学習(eラーニング)・電子医療(eヘルス)と[2]ダイナミックなeビジネス環境を挙げており、その実現のために[3]手頃な価格で利用可能なブロードバンドの普及、[4]安全な情報インフラが必要であるとしている。

2 新たな電気通信規制パッケージ

 EUは、競争の促進や通信と放送の融合等、EUの域内における電気通信市場をダイナミックで競争力のあるものとするため、電気通信分野における従来の規制の枠組みを見直し、2002年4月に(プライバシー及び電子通信指令については2002年7月に)、一連の新たな電気通信規制を公布・施行した(図表)。

 
図表 EUの電気通信規制パッケージの概要

図表 EUの電気通信規制パッケージの概要
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 各加盟国は、2003年7月までに(プライバシー及び電子通信指令については2003年10月までに)国内の法制化作業を終えることが併せて義務付けられている。イギリス・フィンランド・デンマーク等7か国では、2003年10月までに法整備が完了したが、法整備の遅れているドイツ、フランス等8か国に対して、欧州委員会は同年10月に違背手続きを開始した。このうち、スペインについては、その後法整備が完了したため、違背手続きは終了した。

 

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