2 有線放送電話業務
（1） 設備の状況
ア．施設数
施設数は，38年度末の2，649をピークに年々減少し，58年度末における施設数は705となり，前年度末の733に比べ28（3.8％）の減となった。
その減少の要因としては，公社電話の普及に伴い，通話手段としての有線放送電話を利用する者が減少することにより生じる施設の経営難や設備更改のための資金難等が挙げられる。
施設数の最近の年度別状況は第2-2-10表のとおりである。
施設の運営主体は，有線放送電話の基盤が農林漁業地域であることもあって，農林漁業団体が最も多く505（71.6％），次いで地方公共団体147（20.9％），市町村と農協等の共同経営体33（4.7％），公益法人20（2.8％）となっている。
イ．端末設備数
58年度末における端末設備数は155万5千個であり，前年度末の159万6千個に比べて4万2千個（2.6％）の減となっている。44年度末に323万個とピークに達した端末設備数は，以後年々減少している。
なお，端末設備数からみた有線放送電話の規模別分布状況は，第2-2-11表のとおりであり，58年度末における1施設平均端末設備数は2，205個となっている。
ウ．交換方式
自動交換方式をとっている施設は，58年度末において施設数で643（全施設数の91.2％），端末設備数で148万個（全端末設備数の95.4％）となっており，有線放送電話全体における自動化率は年々上昇している。
なお，自動交換方式をとっている施設の平均端末設備数は2，306であり，全施設の平均端末設備数2，205よりも多く，自動交換方式をとっている施設が比較的大型であることを示している。
エ．電電公社回線と接続しているもの
電電公社と接続通話契約を締結している施設は，58年度末において施設数で96（全施設数の13.6％），端末設備数で21万8千個（全端末設備数の14.0％）となっている。接続通話契約の種別には，第一種接続通話契約（市内接続通話）と第二種接続通話契約（市内・市外接続通話）があるが，ほとんどが第二種接続通話契約である。
（2） 利用状況
ア．利用者
58年度末における利用者数は149万人であり，前年度末の153万人に比べ2.6％の減である。
イ．利用料
58年度における利用料についてみると，600円以上800円未満の施設が全体の33.2％を占め，次いで800円以上1，000円未満が22.5％となっている。400円未満の施設は5.8％，400円以上600円未満が16.6％，また，1，000円以上の施設は21.9％となっている。
ウ．放送時間
有線放送電話は，放送と通話を一体として行うメディアであるが，そのうち，58年度の放送の利用状況についてみると，1日当たり1時間未満が36.2％，1時間以上2時間未満が47.4％，2時間以上が16.4％となっている。
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第2章 通信新時代の構築