第2章 通信新時代の構築 第1節 社会経済の発展と通信 第3節 通信新時代の構築に向けて
第1部 総論 第2章 通信新時代の構築 第1節 社会経済の発展と通信 第3節 通信新時代の構築に向けて 第2部 各論 第1章 郵便 第2章 公衆電気通信 第2節 国内公衆電気通信の現状 第3節 国際公衆電気通信の現状 第4節 事業経営状況 第3章 自営電気通信 第1節 概況 第2節 分野別利用状況 第4章 データ通信 第2節 データ通信回線の利用状況 第3節 データ通信システム 第4節 情報通信事業 第5章 放送及び有線放送 第1節 概況 第2節 放送 第3節 有線放送 第6章 周波数管理及び無線従事者 第1節 周波数管理 第2節 電波監視等 第7章 技術及びシステムの研究開発 第2節 基礎技術 第3節 宇宙通信システム 第4節 電磁波有効利用技術 第5節 有線伝送及び交換技術 第6節 データ通信システム 第7節 画像通信システム 第8節 その他の技術及びシステム 第8章 国際機関及び国際協力 |
2 国際通信回線の現状国際通信回線は,国際電気通信需要の増大に伴って著しく増加しており,58年度末において国際電電が運用している回線は,前年度末に対して,電話回線498回線,加入電信回線185回線,専用回線32回線,その他7回線,合計722回線が新増設された結果，総計6，442回線に達している。これを回線種類別，対地別にみると，それぞれ第2-2-21表及び附属資料第16表に示すとおりであり，大容量，高品質の通信衛星及び海底ケーブルを経由する広帯域回線が大部分を占めている。 （1）海底ケーブル 国際電電がアジア・太平洋域で参加している国際海底ケーブルは，第一太平洋横断ケーブル（ＴＰＣ1），第二太平洋横断ケーブル（ＴＰＣ2），日本海ケーブル（ＪＡＳＣ），日本・中国間ケーブル（ＥＣＳＣ），沖縄・ルソン・香港ケーブル（ＯＬＵＨＯ），沖縄・台湾間ケーブル（ＯＫＩＴＡＩ），ＡＳＥＡＮケーブル（Ｐ-Ｓ，1-Ｓ，Ｍ-Ｓ-Ｔ）及び日本・韓国間ケーブルの8ケーブルがあり，米国及び東南アジア諸国等を結んでいる。 これら我が国が所有権を有している国際海底ケーブルは，第2-2-22表のとおりである。また，現在，アジア・太平洋域で計画されている海底ケーブルは，第2-2-23表のとおりであり，国際電電ではそれぞれ必要な回線を取得することとしている。 （2）通信衛星 インテルサットの世界通信システムは，58年度末においてＩＶ号糸衛星（電話級換算4，000回線及びテレビジョン2回線の容量をもつ。），ＩＶ-Ａ号糸衛星（電話級換算6，000回線及びテ1レビジョソ2回線の容量をもつ。）及びＶ号系衛星（電話級換算1万2，000回線及びテレビジョン2回線の容量をもつ。）が，太平洋，大西洋及インド洋上に計15機が設定運用（又は予備配置）されており，世界の通信のかなめとなっている。 また，インテルサット衛星を利用する各国の衛星通信所（地球局）の増加も著しく，59年3月末でその数は154か国〔地域を含む。），615局（アンテナ数767）に達している。 我が国では，国際電電が茨城衛星通信所（茨城県高萩市）と太平洋上のインテルサット衛星を介して米国，カナダ，オーストラリア及びアジア諸国との間に通信回線（58年度末現在1，132回線）を設定しており，また，山口衛星通信所（山口県山口市）とインド洋上の衛星を介してアジア，ヨーロッパ，中東及びアフリカ諸国との間に通信回線（58年度末現在1，028回線）を設定している。 （3）対流圏散乱波通信 対流圏散乱波通信（43年6月開通）は，我が国と韓国との間の国際通信に用いられており，58年度末においては162回線が現用に供されている。 （4）短波無線 現在，国際電電が運用している短波回線数は，対外直通回線全体の0.3％を占めるにすぎなくなっており，今後の短波回線の国際公衆電気通信面における利用は，広帯域回線のない対地との通信（58年度末における利用は，対北朝鮮のみとなっている。），広帯域回線に障害が起きたときのバックアップ回線船舶通信等に限定されていくと思われる。   
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