昭和59年版 通信白書

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6 40MHz帯ラジオ・ブイ

 現在,漁業用のラジオ・ブイのシステムとしては,中短波帯又は27MHz帯の電波を使用して電波の発射と休止を常時繰り返すラジオ・ブイ及び選択呼出信号を受信した時のみ一定時間電波を発射するセルコール・ブイ並びに9GHz帯のレーダーの電波を受信して動作する識別装置付ラジオ・ブイの3種類がある。
 1979年の世界無線通信主管庁会議の結果,40MHz帯の電波が新たに無線標定業務に利用できるようになったことに伴い,この周波数帯を使用するラジオ・ブイ,セルコール・ブイを導入する場合に必要となる技術的諸問題を解明するため,40MHz帯のセルコール・ブイ3台及び無線方位測定機2台を試作して,機器の動作特性及び海上における電波伝搬特性等の調査を行った。その結果,現在使用しているラジオ・ブイ等のシステムとほぼ類似の技術基準に基づく空中線電力3ワットのセルコール・ブイで70〜80kmの最大方位測定可能距離となることが判明し,40MHz帯の電波を使用した場合の実用化の見通しを得ることができた。
 なお,この40MHz帯のラジオ・ブイ,セルコール・ブイは,58年6月に導入した40MHz帯漁業通信システムと近接する周波数帯であることから,導入が実現すれば,40MHz帯漁業通信システムの無線機器にセルコール・ブイの呼出し機能を付加することも可能であり,40MHz帯漁業通信システムとともにその普及が期待される。

 

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