平成12年版 通信白書

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第1章 特集 ITがひらく21世紀

第3節 21世紀のビジネス

1 インターネットビジネス

(1)概況

TCP/IPを用いたネットワークビジネス

 世界中のコンピュータを接続した巨大なネットワーク「インターネット」は、一般に広く開放されて以降、社会や経済に大きな影響を与えてきた。その基本となる技術は、接続端末同士でデータを転送する際の取り決め(TCP/IP:Transmission Control Protocol/Internet Protocol)であり、TCP/IPを用いて接続された開放型ネットワークがいわゆる「インターネット」である。しかし、閉鎖型ネットワークの中にもエクストラネット等のTCP/IPを用いたネットワークがあり、また、11年から開始されたNTTドコモグループのiモード等のサービスでは、携帯電話端末だけでTCP/IPを用いたネットワーク上のデータ転送・情報閲覧が可能となっている。このようなTCP/IPを用いたネットワークでの商取引は、現在盛んに行われてきている。
 そこで、本節では、「TCP/IPを用いたネットワーク上の商取引及びそのネットワーク構築や商取引に関わる事業」を「インターネットビジネス」と定義し、その市場規模について記述することとした。また、このうち、11年から新たに開始された「マイクロブラウザ内蔵の携帯電話端末等を接続端末とし、TCP/IPを用いたネットワーク上での商取引及びその商取引に関わる事業」をモバイルビジネスと定義した(図表1))。なお、ここで「商取引」とは、ネットワーク上で財・サービスの取引を行う意思表示まで行うものとし、ネットワーク上で情報の検索のみを行う場合等は含まないこととする。
 インターネットビジネスには大きく分けて、「インターネットコマース」と「インターネット関連ビジネス」がある(図表2))。
 まず、「インターネットコマース」とは、「TCP/IPを用いたネットワーク上で財・サービスの受発注を行う商取引」と定義する。このインターネットコマースは、取引内容に着目した場合、最終消費財及びサービスの取引(以下、「最終消費財市場」)と企業間における原材料の取引(以下、「中間財市場」)に区分することが出来る。このうちモバイルビジネスに係るものは、現在全て最終消費財市場に含まれているが、これをモバイルコマースと定義し、インターネットコマース最終消費財市場の内数として計上した。次に、インターネットの普及により直接的に影響を受けているビジネスとして、「インターネット関連ビジネス」があり、これは「TCP/IPを用いたネットワークの構築及びインターネットコマースに関わる事業」と定義する((注7))。このうちモバイルビジネスに係るものについては、モバイルコマース関連ビジネスと定義し、インターネット関連ビジネスの内数として計上した。
 なお、11年における、これらの市場規模は、合計で21兆1,756億円となっている。

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