平成12年版 通信白書

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第1章 特集 ITがひらく21世紀

2 住まい

快適な情報通信利用環境を実現する次世代情報化住宅が登場

 インターネットの普及に伴い、家庭内情報通信インフラを重要な設備として位置づけた次世代情報化住宅が登場している。また、家庭内で用いられる家電製品のデジタルネットワーク化が進んでいる。
1)インターネット対応型マンション
 「インターネットマンション調査」によれば、11年中に「インターネット対応型」と銘打ったマンションの分譲・販売実績のある事業者(60.7%)と、販売実績はないが計画があるとする事業者(25.0%)をあわせると、85.7%の事業者が「インターネット対応型マンション」の分譲・販売計画を有していた(図表1))。いわゆる「インターネット対応型」と呼ばれるマンションは、専用IP接続型、CATV接続型、セットトップボックス設置型の概ね3種類に分けられる。集合住宅としての規模のメリットを活かして専用回線を敷設し、インターネットに接続するため、高速の常時接続を実現するものが多く、定額の利用料金があらかじめ管理費等に含まれる場合が多い(図表2))。
2)マルチメディアタウン
 兵庫県川西市に新星和不動産が開発中の日生ニュータウンでは、街全体を高度な情報通信利用に対応できる環境とする試みとして、12年4月からNTT-MEを事業主体とする「日生ニュータウン・マルチメディアサービス」が開始された。このサービスの特徴は、一般住宅への光ファイバ引き込みを実現した点で、日生ニュータウンに分譲される一戸建住宅及びマンション等では、高速(一戸建てで最大10Mbps、マンションで最大1Mbps)のインターネット常時接続サービスを月額5,000円(接続料込み、税別)の定額で利用できるほか、マルチメディア情報センターから光ファイバを通じて提供される映像情報サービス等が受けられる。
3)家電製品のデジタルネットワーク化
 家電業界においては、最近のデジタル化の進展に伴い、冷蔵庫や電子レンジ等のいわゆる「白物家電」を含む家電製品をネットワーク化する構想が検討されている。機器同士がネットワークに接続され、家庭内において相互にデータをやり取りしたり、外部から必要な情報を取り込むことによって、その製品本来の機能をより高度化する家電製品は、「情報家電」又は「デジタル家電」と呼ばれている。
 松下電器産業のHII(Home Information Infrastructure)ハウスは、2003年の暮らしを想定して、住宅設備や家電製品といった家庭内の情報通信インフラをネットワーク化した実証実験ハウスである。ネットワーク化される機器は、各部屋等の「HIIコンセント」から簡単に接続することが可能で、収集されるすべての情報は宅内のホームサーバーに蓄積される。玄関の「テレビドアホン」により、来客の映像を宅内各部屋のモニターや外出先の携帯端末や勤務先のパソコンに送信すること、リビングルームで「くらし情報端末」を使い、ネットワーク接続された各機器からの情報を一元管理すること、キッチンで個人の健康データに応じて「ネットワーク電子レンジ」がレシピを受信して調理すること、などが、同社が提案する情報家電のイメージである。
 我が国では、既にインターネット接続型の家庭用ゲーム機、インターネットからの音楽配信を取り込み再生する携帯型プレーヤーが実用化された。12年度以降においては、順次全放送メディアのデジタル化が予定され、デジタル放送対応のテレビ受像機がインターネットに接続されることによる双方向の情報提供サービス等の開始が予想されている。このほかにも、米国の家電メーカー、ワールプール社が発表した、インターネット経由での在庫管理機能が付いた冷蔵庫のような新しいタイプのデジタル(情報)家電の登場も考えられる。

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「インターネットマンション調査」により作成
Excel形式のファイルはこちら

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各社資料により作成

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松下電器産業のHIIハウスにおいて展示されている。

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松下電器産業のHIIハウスにおいて展示されている。

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松下電器産業のHIIハウスにおいて展示されている。

関連サイト:
松下電器産業 HIIハウス(http://www.panasonic.co.jp/acss/

 
 


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