平成12年版 通信白書

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第1章 特集 ITがひらく21世紀

第5節 21世紀に向けた情報通信政策の指針

1 21世紀における高度情報通信社会の在り方と行政が果たすべき役割

21世紀に向けた情報通信政策の基本的方向性を提示

 郵政省では、我が国経済の構造改革、少子高齢化等、21世紀の諸課題に的確に対応していく上で、国民生活及び経済活動の基盤としての情報通信が目指すべき政策の方向を明らかにする目的から、10年12月、電気通信審議会に対し、21世紀における高度情報通信社会の在り方と行政が果たすべき役割について諮問を行い、12年3月、情報通信の方向性について、広く内外の有識者の方々のご意見を踏まえた答申「21世紀の情報通信ビジョン」を受けた。
 本ビジョンでは、世の中に大きなシステム変革をもたらすような経済社会の条件変化や情報通信の潮流等が、今後、実際に世の中の構造に浸透し、変革をもたらし、新しいシステムとして定着するまでに要する時間を概ね10年と考え、2010年頃の社会を展望している。
 内容をみると、まず、現状認識として、我が国を取り巻く経済社会の構造変化について取り上げている。具体的には、少子高齢化の急速な進展に伴う経済社会の活力及び生産性の低下に言及するとともに、アジア諸国の台頭に伴い、我が国の規格大量生産型製造業に関する競争力が相対的に低下したことについて記述している。一方、ITが米国経済を再生させたこと、IT革命は産業革命や農業革命に匹敵する変革であり、文明の転換をもたらすものであることを記述し、今後はITによる社会変革の成否が、国の盛衰を大きく左右するとしている。
 また、21世紀の日本の将来像として、「世界と共鳴し合う魅力ある日本」(IT JAPAN for ALL)の創造を提起し、2010年頃の日本を、日本人及び世界の人々にとって、「住みたい、訪ねたい、働きたい、投資したい」魅力に溢れた国にすることを目標とし、この実現に向けて、日本を世界のIT革命の創造拠点・最良の実験場として、日本の特性や得意分野を活かした成功モデルを他国に先駆けて提示するため、総合的な政策を展開する必要性を提言している。
 具体的な情報通信政策については、1)世界で最先端のネットワーク利用環境を実現すること、2)柔軟でダイナミックな情報通信ネットワークと、国民誰もが情報通信を使いこなせる利用環境を実現すること、3)国際的な連携・協調を一層強化し、地球規模の情報通信の調和ある発展に貢献すること、の3つの目標の下、情報通信分野における「高速化」「常時接続」「低廉な定額料金」の急速な発展、通信・放送の融合化等の5つの潮流や、デジタル情報格差(デジタル・ディバイド)、社会の脆弱化という早急に克服すべき課題に対して、情報収集・公開による「的確な動向把握・情報提供」等の3つの原則を示しつつ、求められる情報通信政策の基本的な方向について提言している。

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関連サイト: 21世紀の情報通信ビジョン-IT JAPAN for ALL-
  http://www.mpt.go.jp/policyreports/japanese/telecouncil/tsusin/s21_info.html

 
 


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