平成12年版 通信白書

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第2章 情報通信の現況

3 世界の研究開発用ネットワークテストベッドの整備状況

99年も各国で新たなネットワークテストベッドが構築

 近年、インターネットをはじめとするネットワークの利用が世界的に盛んになってきており、今後もその普及が急速に進むと予測される。また、多様化するネットワークの利用方法に対応するため、高速・高品質の次世代超高速ネットワークを実現することが、急務となっている。 
 こうした中、世界の先進各国では、大学、産業界、政府が一体となって、高度情報通信社会の最も重要な基盤となる次世代超高速ネットワークを実現するための各種プロジェクトを進めており、各研究開発用ネットワークの相互接続も推進されている(図表)。
 我が国においても、21世紀における超高速ネットワークの実現に向け、次世代インターネット技術をはじめとする超高速ネットワーク技術や高度アプリケーション等の研究開発のためのオープンテストベッドである「研究開発用ギガビットネットワーク」(JGN :Japan Gigabit Network)の運用が11年度から開始されており、広く一般の研究開発のために開放されているところである(3-4-3参照)。
 北米、欧州における主要な研究開発用ネットワークの概要は以下のとおりである。
1)北米
 米国では、クリントン大統領のリーダーシップによる次世代インターネット(NGI: Next Generation Internet)計画のもと、NSF(全米科学財団)が整備した超高速ネットワーク vBNS 等各種の政府プロジェクトが有機的に統括され研究が進んでいる。1999年6月には、vBNSの利用資格を全米の教育機関すべてに広げ、NSFの認定を必要とせず利用できるvBNS+を、MCI ワールドコムが提供することが発表されている。さらに、1999年夏には、DARPA(米国国防総省)が、東海岸及び西海岸にある地域テストベッドを相互接続するために、SuperNetと呼ばれる次世代ネットワークテストベッドを構築し、プロトコルの実証実験や、ネットワーキング技術の研究開発のために開放している。また、全米の170校を超える大学が参画するInternet2プロジェクトでは、Abileneと呼ばれる学術研究用超高速ネットワークを活用して、次世代インターネットのアプリケーション等の研究開発を実施している。
 一方、カナダにおける次世代超高速ネットワークの研究開発は、カナダ連邦政府補助の下、産学官で構成されるCANARIE Inc.によって主導されている。主流となる研究開発用ネットワークは、CA*net2であり、カナダ国内の13か所にある地域ネットワーク相互接続ポイントをATMネットワークで結んでいる。米国の接続ポイントを介し、米国、欧州、アジアとも接続されている。また、1998年からは、ベル・カナダを中心とする企業コンソーシアムにより、次世代インターネットのためのWDMネットワークであるCA*net3の運用が開始されている。
2)欧州
 欧州では、英国のJANET、ドイツのB-WiN、オランダのSURFnet4、イタリアのGARR-B、スペインのReIRIS、北欧のNORDUnet等、各国において研究開発用ネットワークが構築されている。一方、欧州全域を対象とするものとしては、欧州各国の研究者のための国際的なネットワークTEN-155が1998年12月から運用開始されている。1999年7月現在、TEN-155のメンバーとして認定され、接続されている欧州域内の国は17か国となっている。

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各種資料により作成

 
 


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