平成12年版 通信白書

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第1章 特集 ITがひらく21世紀

(4)予約サービス

最も人気の高いインターネットコマース

 今までのチケット予約では、公演等の予定を雑誌等で調べ、チケット売り場等に長時間並ぶか、電話で予約する必要があった。
 コンサートや演劇等に関する情報誌の発行やチケット予約サービスを手がけている「ぴあ」は、こうした問題に着目し、インターネットコマースを有効に活用したデジタル抽選販売サービス(「でちゅー」)を11年12月より提供している。本サービスは、1)利用者が事前に興味のあるアーティスト、スポーツチーム等を登録しておくと、2)それらの公演や試合等の開催が決定したときに、「でちゅー」から電子メールでその旨を伝える連絡が届き、3)利用者は、その通知を見て「でちゅー」のホームページで希望の公演・試合等を申込み、4)抽選で当選した人にはチケットが郵送されてくる、というサービスである(図表)。
 本システムを利用すると、利用者は希望の公演等の情報をすぐに入手でき、抽選による公平な予約が確保できるため、チケット入手のために多くの時間を浪費せずに済む。また事業者にとっては、チケットの販売所を設置する必要がなくなるなどの経費削減効果とともに、顧客データを集積することができ、顧客一人一人の好みに合わせたサービスを提供することが可能になる。なお、ぴあは現在、本ビジネスモデルについて特許申請を行っている。
 このほか、インターネットや携帯電話を使って、航空券や列車、宿、各種イベント等の予約サービスを行っている企業が増えてきている。このようなサービスでは、特別な割引料金を設定している場合も少なくないが、これも顧客データの収集や既存の販売窓口の削減等といったメリットが大きいからであると考えられる。また、インターネットユーザー調査の結果をみても、「今後、インターネットを利用して、どのような商品やサービスを購入したいか(複数回答可)」の質問について、利用したいという人が最も多いサービスは「ホテルなどの予約」(65.8%)、次いで「コンサート・演劇などのチケット予約」(58.7%)、「航空・鉄道乗車券の予約」(56.7%)となっており、インターネットを用いた予約サービスは今後ますます伸びていくものと考えられる(1-2-2(3)参照)。

C1324001.gif

関連サイト: ぴあ(http://www.pia.co.jp/


 
 


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