平成12年版 通信白書

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第2章 情報通信の現況

(3)教育分野

情報通信を利用した双方向の遠隔授業が本格化

 情報通信技術の進歩により情報通信技術を利用した多様な教育形態が普及しつつある。
1)ネットワーク型授業
 早稲田大学では、10年度から他大学の協力を得て、テレビ会議システムを利用した双方向の共同授業(リアルタイム共同授業)を実施してきたが、11年9月より、異文化コミュニケーションの講座「総合講座I:〈いま〉をどう読むか」において、事前にデジタル化した講義コンテンツを作成し、全国7校の協力校キャンパスに分散した100名規模の学生モニターに向けてインターネット等を通じて配信する講義(ネットワーク型授業)を実施している。
 この講義の特色は、受講者は原則として各自パソコンを用いて講義に臨み、コンテンツ再生の前後に担当教員によるオリエンテーションがインターネット放送でリアルタイムに送信されるほか、コンテンツ再生後にはネットワーク上の電子掲示板(BBS)で全員参加のオンライン・ディスカッションが行われる。また、BBSはコンテンツ再生中も含めて24時間常時書き込み可能であり、受講者は講義を受けながら、あるいは自宅のパソコンからいつでも好きなときに発言することができる。
 ネットワーク型授業に対しては、学生の反応もよく、早稲田大学が実施したアンケートでは、約65%の学生が抵抗感なく授業を受け入れており、約77%の学生が学生同士のコミュニケーションは通常の授業以上に取れていると回答している。また、約86%の学生が単位として認定されるならこのような授業を受けたいと回答した(図表)。なお、12年度には3講座でネットワーク型授業を行う予定である。
 さらに、ISDN回線を利用した国内外の教室・研究室を結ぶネットワーク型のゼミナールを11年度から実施している。11年度には、同志社大学との間で政治学の共同ゼミを実施し、毎回各大学から1名ずつ報告を行い、双方のゼミ生がそれに対して質問等を行う形態で研究を進めてきた。
 今後、早稲田大学では、教育を受ける機会の限られた社会人から障害者、高齢者、過疎地に暮らす人々を対象に、本システムを活用した学習の場を提供していく予定である。
2)エル・ネット オープンカレッジ
 文部省は、同省の「教育情報衛星通信ネットワーク(エル・ネット)」を活用し、大学の公開講座や大学院の講義を全国の公民館や図書館等の社会教育施設に提供する「エル・ネット オープンカレッジ」を12年1月から開講している。受講会場は、全国に約1,300か所以上設けられ、希望者は近くの受講会場に出向いて、全国各地にある大学の公開講座等を受講できる仕組みとなっている。12年1月現在、28の大学等が参加している(資料35参照)。

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「ネットワーク型授業実験アンケート調査」(早稲田大学)による
Excel形式のファイルはこちら
   
関連サイト: 早稲田大学デジタル化事業推進室
  http://www.waseda.ac.jp/dcc
  エル・ネット オープンカレッジ
 



 
 


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