平成12年版 通信白書

普及支援策の充実

　テレワーク・SOHO(Small Office Home Office)とは、情報通信を活用した遠隔型の勤務形態であり、通勤負担の軽減、育児・介護と就業の両立、女性・高齢者・障害者の就業機会の拡大、地域の活性化等の様々なメリットがある。郵政省では、テレワーク・SOHOを普及・促進するために、以下の施策を推進している。
1)地域における施設整備
(i)テレワークセンター施設整備事業
　6年度より、都道府県、市町村及び第三セクターが、地域住民が共同で利用することのできるテレワークセンターを整備する場合、施設・設備費、用地取得費・道路費を補助しており、12年3月末現在8地域が事業を実施している(資料48参照)。
(ii)情報バリアフリー・テレワークセンター施設整備事業
　10年度より、都道府県、市町村、第三セクター及び公益法人が、高齢者・障害者が使いやすい情報通信システム等を設置した情報バリアフリー・テレワークセンターを整備する場合、センター施設、送受信装置、高齢者・障害者向け情報通信利用装置、用地取得費等を補助しており、11年度末現在2地域が事業を実施している(図表1)、資料48参照)。
2)情報通信システムの構築・研究開発
(i)SOHO等支援情報通信システムの開発
　11年度より、通信・放送機構を通じて、SOHOや在宅テレワーカーのサポートに資する高度な情報通信システムを構築・展開していくための研究開発を開始し、11年度は、3件の実証実験を実施した(図表2)、資料47参照)。
(ii)SOHOディレクトリの開発
　12年度に、情報通信ネットワークを活用したSOHOのディレクトリ(電子電話帳)をインターネット上に構築・公開し、アウトソーシングを行う企業が閲覧・検索できるシステムを整備する予定である。
3)税制・金融支援(資料38、49参照)
(i)テレワーク促進税制
　10年度に、法人又は個人が、サテライトオフィス形態のテレワークを実施する上で必要な電気通信設備について、取得後5年度分、固定資産税の課税標準を2／3とする特例措置を創設した。12年度には、特例措置の適用期間の2年延長が認められた。
(ii)テレワーク・SOHO支援特別融資制度
　12年度に、在宅勤務及びサテライトオフィス勤務のための施設を自ら整備する企業及びSOHO向け貸しオフィスの整備などテレワーク・SOHOを支援するための施設を整備する事業者に対し、日本政策投資銀行等を通じて、事業の実施に必要な設備の取得に係る資金の融資を行う制度を創設した。