平成12年版 通信白書

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第1章 特集 ITがひらく21世紀

3 効率性の追求

(1)サプライチェーンマネージメント

インターネットを用いて受注から納品までの効率化を推進

 サプライチェーンマネージメント(SCM:Supply Chain Management)とは、部品供給から製造、卸、小売等までの製造・販売系統全体で在庫や出荷状況に関する情報を共有するための経営手法であり、過剰・過少生産を避けながら、製品を顧客まで最短時間で納入し、顧客満足度を向上させることを目的としている。インターネット構築に欠かせないルーター、LANスイッチをはじめとする通信機器等の製造販売を世界規模で行うシスコシステムズ(Cisco Systems)社は、インターネットコマースにSCMシステムを組み合わせることで社内の効率化推進に成功した事例の一つである。
 同社では、1995年からインターネットを活用した顧客向けサイトを構築している。当初は、受注した商品の出荷状況の照会サービス等から始め、その後、見積り作成、商品の受注、顧客に合わせたホームページのカスタマイズ、問合わせ応対等の様々なサービスを展開している。これにより、顧客満足度の向上を目指すとともに、社内の効率化を図っている。さらに、同社はSCMシステムを用いて、パートナー会社に製品を発注したり、シスコの営業部門における販売予測について、パートナー会社に常に開示することにより、製造部門の効率的な計画管理を実現している。同社は、これら一連のシステム導入により、1998(会計)年度には5億5,000万ドル、1999年度には8億2,500万ドルの経費削減効果を算出している。
 インターネットコマースは、顧客向けの最終消費財市場と、製造業と部品等供給会社との間の中間財市場の2つに分類されるが、同社は、この双方を有機的に結合したシステム構築をすることでSCMをうまく機能させているとも言える。今後インターネットコマースの普及に伴い、このようなSCMシステムも幅広く導入されていくものと考えられる。

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関連サイト:
シスコシステムズ(http://www.cisco.com/jp/

 
 


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