昭和50年版 通信白書

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第2節 郵便の利用状況

1 郵便物数の動向

 49年度の引受総郵便物数は,140億5,648万通(個)で,対前年度比6.5%の増加であった(第2-1-1表参照)。
 49年度の実質経済成長率は,48年末の石油危機の影響等により,戦後初めてマイナスを記録したが,郵便物数はここ数年来最高の増加率を示した。このようにかつてない景気の落ち込みにもかかわらず郵便の利用が増加したのは,平常信が49年度前半(4〜10月)については7月の.参議院議員選挙に伴う関連郵便物が大量に出回ったこともあって対前年度比3.7%増,後半(11〜3月)については比較のベースとなる48年度後半が石油危機のあおりで対47年度同期比1.1%増と低かった反面,49年度末には統一地方選挙関連の郵便物が大量に出回ったこともあって対前年度同期比6.5%増と高い増加率となり,49年度を通じて対前年度比4.9%増となったこと,更に年賀郵便物が対前年度比13.9%もの高い増加率を示したことなどが考えられる。
 これを種類別にみると,普通通常の約51%を占める第一種は3.0%の増加であった。第一種を更に定形と定形外に分けると,定形が3.4%増加したのに対し,定形外は0.1%の減少とほぼ横ばいで推移した。
 普通通常の約38%を占める第二種は,9.7%増と第一種に比較しかなり高い増加率を示した。これは,さきに述べた選挙関連郵便物の利用が増加したことに加えて,ここ数年来の傾向で,公共料金等の自動振替払込システムの普及拡大に伴う領収書等の業務用としての利用が増加してきたことなどによるものとみられ,今後もこの傾向が続くものと予想される。
 第三種は,0.4%の減少であるが,そのうち,「低料扱い」が2.8%の減少であるのに対し,「その他」は逆に4.0%の増加を示した。
 第四種は,5.7%の増加となった。なかでも,農産種苗は8年連続して下降線をたどっていたのが,45.4%の増加となった。これは,最近の園芸ブームにより,種子苗木等の通信販売が増加したことによるものと思われる。
 書留通常は4.2%の増加を示したが,その中で一般書留が0.1%減であるのに対し,簡易書留は19.0%と高い増加率を示している。
 簡易書留は創設以来,49年度まで毎年10%以上の高い増加率で利用が増大してきている。
 普通速達通常は5.2%の増加を示したが,特に,4月は春期闘争時の業務運行状況が影響したためか,15.6%増と高い増加率であった。
 小包は4月から9月までは5.1%増と順調な増加率を示したが,料金改定後の10月から3月までは8.3%減と大幅な利用減を示し,年間では,1.9%の減少となった。また,その内訳をみると,一般小包が1.7%の減,書籍小包は3.9%の減となっている。
 年賀郵便物は25億通と13.9%の大幅な増加となった。
 選挙郵便物は,48年度は大きな選挙がなかったのに対し,49年度は参議院議員選挙があったため,大幅な増加となった。
 外国(差立)郵便物は3.5%の増加となった。
 なお,一般に大口利用者が利用すると推定される料金別後納郵便物の増加が49年度もその他の郵便物の増加よりもかなり上回った。

第2-1-1表 49年度引受郵便物数

 

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