昭和50年版 通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
トップページへ戻る
操作方法


目次の階層をすべて開く 目次の階層をすべて閉じる

第3節 国際公衆電気通信の現状

1 国際回線の現状

 国際電電は,我が国経済の発展に即し一貫して増大する国際通信の需要に対処するため設備の拡充強化を推進しているが,49年度においてはおよそ257億円の設備投資を行い,国際通信の利便の向上を図っている。
 49年度末において,国際電電が運用している対外直通回線は,総計2,162回線であり,前年度に比べ229回線の増加となっている。これら回線のほとんどは,インテルサット通信衛星,太平洋ケーブル,日本海ケーブル及び日韓間対流圏散乱波通信回線によるもので,かつての国際通信回線の主軸であった短波回線は相対的に地位の低下を示し,現在では一部の地域,船舶通信等のサービスに用いられるにすぎなくなっている。
(1) 衛星通信
 茨城衛星通信所(高萩市)は,太平洋衛星を通じて米国,オーストラリア,ニュー・ジーランド,中国,香港等との通信に,また,山口衛星通信所(山口市)は,インド洋衛星を通じて欧州,中近東,アフリカ等の諸国との通信に当たっている。49年度末現在において,茨城衛星通信所は29対地との間で752回線を,山口衛星通信所は42対地との間で673回線を運用している。
(2) 海底ケーブル
 海底ケーブル設備は,太平洋ケーブル(二宮・グアム・ハワイ間,3kHz電話換算138回線)と日本海ケーブル(直江津・ナホトカ間,4kHz電話換算120回線)の二つがある。太平洋ケーブルは,グアム,米本土,香港,フィリピン,オーストラリア等との通信に,日本海ケーブルは欧州諸国等との通信に充てられている。
 二宮海底線中継所(神奈川県)は太平洋ケーブルの陸揚局として,また直江津海底線中継所(新潟県)は日本海ケーブルの陸揚局として,それぞれのケーブルを国内線に接続している。
(3) 対流圏散乱波通信
 韓国との間の国際通信は現在主として対流圏散乱波通信回線(43年6月開通)によっている。日本側の中継所は浜田市に,韓国側の中継所は舞竜山(蔚山の北東10km)にある。最近における通信量の増大に対応するため,48年以来回線を倍増する計画を進めた結果,現在の容量は4kHz電話換算240回線となった。
(4) 短波無線
 短波無線設備としては,小山送信所(栃木県),小室受信所(埼玉県),北浦受信所(茨城県),上野送信所(三重県)及び小野受信所(兵庫県)がある。北浦受信所,上野送信所及び小室受信所は遠隔制御により運用されている。

 

2 有線放送電話業務 に戻る 2 サービスの現状 に進む