昭和50年版 通信白書

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第8章 国際機関及び国際協力

第1節 国際機関

 1 概   況

 通信はその本来的性質からみて世界的なものであり,世界を通信で結ぶためには,まず第一に国際間に統一された合意を必要とする。そのため,郵便及び電気通信に関する国際協力を維持・増進するための政府間国際機関である万国郵便連合(UPU)及び国際電気通信連合(ITU)は,他の国際機関に先駆けて早くから設立され,既に100年に及ぶ歴史を有し,また,加盟国数においても140か国を超す大きな組織となっている。
 毎日無数のメッセージが有線,無線あるいは郵便によって,この地球上の人間の作った国境を越えて送られ,文化,社会及び経済の発展に貢献している。これらのことは今日では当然のこととされており,論議されることも極めてまれである。
 このことは取りも直さず両連合の活動に対し最高級の評価が与えられていることを示す証拠である。なぜならば,もし両連合がなかったならば,我々はいまだに国内通信手段しか持たない羽目となっていたと思われるからである。
 我々は効率的な国際通信業務を当然のことと思っているが,このことはおそらく過去100年間の両連合の業績を測る真の尺度であろう。
 一方,宇宙空間の物体を無線通信の中継媒体として利用し,大洋をまたぐ長距離の広帯域通信網を改善しようという構想の下に発足した国際電気通信衛星機構(INTELSAT)も既に10年を経過し,そのメンバの構成においても,また,サービスの範囲においてもグローバルな広がりに発展をみせている。
 インテルサットは,人類の宇宙憲章といわれる「月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約」の法秩序の下に宇宙を背景に確立された新たな国際機構であり,今後進展が予想される海事衛星や海底資源開発等の国際協力分野に先例を提供するものとして評価されている。
 

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