昭和50年度通信白書の発表に当たって
現在,郵便,電話,ラジオ,テレビジョン等は,国民生活のすみずみにまで普及し,もはや国民の日常生活に欠くことのできないものとなってきました。また,これらが広く日本経済の発展に大きな役割を果たしてきたことはいうまでもありません。
このように我が国の通信が順調に発展してきたのは,通信に対するおう盛な需要の存在とこれに対応してきた各通信事業体の活発な研究開発などの努力によるものといえましょう。そしてこの傾向は現在もとどまることなく続いており,電話,テレビジョンの広範な普及とデータ通信,CATV,宇宙通信等の新しいメディアの発達は,社会生活をますます多彩なものとし,我が国の情報化の進展に大きな役割を果たすものと思われます。特に,現在では電話,テレビジョンはおおむね全国に普及し,地理的原因等によりこれらの利便を享受できない一部の人々に対する問題が残されるのみとなっております。
本年度の白書では,以上のような観点から,49年度における通信全般の動きと郵政省の行った施策を述べるとともに,郵便,電話,放送等基幹的な通信メディアの現状と今後の問題について述べております。
この白書によって,国民の皆様が我が国の通信に関する諸問題と当省の施策について,一層御理解を深めていただければ幸いです。
昭和50年12月
郵政大臣 村 上 勇
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