昭和50年版 通信白書

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4 郵便作業の機械化

 郵便作業の機械化については,事業近代化の一環として,東京・大阪両都市における集中処理局の建設をはじめ,郵便番号自動読取区分機,郵便物自動選別取りそろえ押印機,小包区分装置,配達証作成機及び各種の局内搬送機器等の各種機械を導入して,省力化と業務の円滑な運行を図ってきた。
(1) 主要機械の配備状況
 49年度においても,引き続き各種機械類の配備の拡大を図ってきた。その結果,50年3月現在で,郵便番号自動読取区分機は58局に88台,郵便物自動選別取りそろえ押印機は83局に100台が配備されており,その中の32局の41システムは,郵便物の選別から取りそろえ,押印,区分までが一貫した全自動処理システムとなっている。
 また,小包区分装置は,回転式,パン式及び斜行ベルト式を合わせて15局に46台が配備されており,配達証作成機,配達証送達証作成機及び定形用配達証作成機は全部で125局に152台が配備されている。
(2) 機械の性能向上
 機械の性能向上については,機械の小型化,消費電力量の減少,機械発生音の低減等も併せて,不断の努力が払われている。その中で特筆すべきものを数点上げると,まず,郵便番号自動読取区分機については,読取率90%以上,処理速度毎時2万4千通(ただし,年賀郵便物は毎時3万通)の新性能機が誕生した。次に,郵便物自動選別取りそろえ押印機については,その処理能力は,選別部において毎時3万通,取りそろえ押印部において毎時2万5千通となっており,従来のものと比べると大幅な向上を示している上に,機械は小型化され,使用電力量は,従来型が14kVAであったのに対し,新鋭機では8.5kVAとなっている。
 機械の小型化に関しては,処理速度をやや低下させたものの,大幅な小型化に成功した新型機のほか,中規模局への配備を対象として,選別作業を人手で行いながら取りそろえ及び押印を自動的に行う新型機の開発に成功している。
 次に,これらの機械の配備から発生する問題の一つとしての安全問題については,放熱量の減少,発生音の減少及び機械的安全性を高めるための改良が不断に行われている。
(3) 機械か動効率
 各種の機械を効果的にか動させるためには,利用者の協力,適切な機械保守,機械運用体制の確立,より効果的な郵便処理システムの採用等が必要である。
 郵便番号自動読取区分機が性能を発揮するための基本的条件であるところの郵便物への郵便番号の記載は,利用者国民の協力により年を追って向上しており,機械の区分性能の向上と相まって,区分効率は向上の一途をたどっている。
 また,郵便物の機械処理をより効率化するため,従来の郵便局内の郵便物処理フローを改善し,レイアウトや作業手続を改めることを推進している。
 最後に,機械配備局が全国的に増えてきた現在においては,機械のか動効率を高めるためには現行の郵便処理システムに検討を加えることも考えなくてはならないであろう。

 

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