昭和49年版 通信白書

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2 地域間情報流通の態様

 全国の府県(北海道及び沖縄県を除く。)を7地域(注)に区分し,郵便及び電話について,地域間の情報流通状況をみると,次のとおりである。
(注)東北・・・・・・青森県,岩手県,宮城県,秋田県,山形県及び福島県
   関東・・・・・・茨城県,栃木県,群馬県,埼玉県,千葉県,東京都及び神奈川県
   中部・・・・・・新潟県,長野県,山梨県,静岡県,岐阜県,愛知県,富山県,石川県及び福井県
   近畿・・・・・・三重県,滋賀県,京都府,大阪府,兵庫県,奈良県及び和歌山県
   中国・・・・・・鳥取県,島根県,岡山県,広島県及び山口県
   四国・・・・・・徳島県,香川県,愛媛県及び高知県
   九州・・・・・・福岡県,佐賀県,長崎県,熊本県,大分県,宮崎県及び鹿児島県
(1) 地域別の情報流通量
 各地域の発着信が全体(沖縄県の発着信を除く。)に占める比率は第1-2-14図のとおりである。
 郵便の比率と電話の比率とは,地域ごとにほぼ同じ値となっており,全国情報流通量における各地域のウェイトを表すものといえる。関東は全体の半ばに近く,第二位の近畿の約2倍で全国情報流通量におけるウェイトは極めて大きい。
(2) 地域内の情報流通
 各地域の自地域内府県相互間の発着信が,それぞれの地域の発着信全体に占める比率は,第1-2-15図のとおりである。
 郵便においては,最も比率の高い関東でも地域内発着信は全体の半ばに達していないが,電話では,関東,近畿,九州の3地域において50%を超え,その他の地域も郵便の比率を大幅に上回っている。郵便に比べ電話の方がより近距離の情報伝達に利用されているといえる。また,上位の関東,近畿,九州は,それぞれ一つの情報流通圏を形成しており,比率の低い中国及び四国は,情報流通面では他地域依存の度合いが大きいことを示している。
(3) 地域中心府県との情報流通
 各地域について最も発着信の多い府県(注)(以下「中心府県」という。)を選び,その自地域内府県に対する発着信が,当該地域内の府県相互間発着信全体に占める比率をみると,第1-2-16図のとおりである。
 (注)東北・・・・・・宮城県    中国・・・・・・広島県
    関東・・・・・・東京都    四国・・・・・・香川県
    中部・・・・・・愛知県    九州・・・・・・福岡県
    近畿・・・・・・大阪府
 各地域を通じ,中心府県の占めるウェイトには余り大きな差がみられず,それぞれの地域における地域内情報流通の中心となっているといえるが,郵便,電話とも愛知県の比率が最も低く,地域内発着信の比率が低い(第1-2-15図参照)ことと合わせると,中部は,情報流通圏としては比較的まとまりを欠くといえよう。
(4) 東京都及び大阪府に対する情報流通
 各地域の東京都及び大阪府に対する発着信が,それぞれ他地域に対する発着信全体に占める比率をみると,第1-2-17図のとおりである。
 郵便,電話とも,東京都又は大阪府におおむね距離的に近い地域ほど高い比率を示しているが,九州は,距離的に近い大阪府よりも,むしろ東京都との情報流通が盛んとなっている。東北は,東京都との情報流通が対大阪府に比べ圧倒的に大きい。また,中国及び四国は,郵便と電話とでは,東京都及び大阪府に対する発着信の比率が逆転しており,郵便による情報流通と電話による情報流通とで,その態様を異にしている点が注目される。

 

第1-2-14図 地域別発着信の比率

第1-2-15図 地域内発着信の比率

第1-2-16図 中心府県発着信の比率

第1-2-17図 対東京都及び大阪府発着信の比率

 

 

 

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