昭和49年版 通信白書

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2 国際データ通信回線

 国際電電が提供するデータ通信回線には特定通信回線と公衆通信回線があるが,現在,後者は全く利用されておらず,専ら特定通信回線が利用されている。
(1)年度別利用状況
 第2-4-5表は45〜48年度末における回線数を規格別に示したものである。45年度末においては,わずか22回線にすぎなかったが,その後飛躍的に増大し,48年度末には165回線が利用されるに至っている。
 50×1/4b/s回線が48年度において前年度より減少していることを除いて,各規格とも毎年増加しているが,規格別にみると次第に低速回線から高速回線へと利用が移行する傾向にある。
 各規格の伝送速度と回線数の積を合計して得られる伝送可能ビット数の増加状況を示したものが第2-4-6図である。情報量を伝送可能ビット数でとらえると,45年度に比して46,47,48年度はそれぞれ約4,6,12倍と爆発的に増加している。
(2) 音声級回線の分割使用
 音声級回線とは音声の伝送が可能な300Hz〜3,400Hzの周波数帯域幅をもつ回線である。この音声帯域幅を分割装置によって数回線に分割し,データ通信だけではなく音声,写真,ファクシミリ,テレタイプ通信の伝送とデータ通信とを組み合わせて使用することもできる。伝送情報量の多いユーザは音声級回線の分割使用により回線の有効利用を図っている。
 国際特定通信回線において音声級回線が用いられるようになったのは46年度からであり,主として商事会社に利用されている。
 分割使用の態様としては一部がファクシミリや電話と組み合わせて利用されており,その他のものについては大部分が75b/s回線に分割され,データ通信に利用されている。
 音声級回線は回線数としては少ないが,数回線に分割して利用されており,伝送するデータ量は多い。その伝送可能ビット数は,逐年倍増しつつあり,データ通信回線全体に占める割合は約20%である。

第2-4-5表 国際データ通信回線の利用状況

第2-4-6図 伝送可能ビット数の増加状況

第2-4-7表 音声級回線の分割使用状況

 

 

 

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