昭和49年版 通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
トップページへ戻る
操作方法


目次の階層をすべて開く 目次の階層をすべて閉じる

第3節 周波数割当

1 概   要

 無線局に周波数を割り当てる場合には,一般に次の事項を考慮して行っている。
[1] 周波数分配表に従うこと
[2] 周波数に関する国際的な規律に従うこと
[3] 周波数割当計画が定められている場合にはこれに従うこと
[4] 周波数の効率的利用を図ること
[5] 電波の型式,必要周波数帯幅,伝搬特性,保護すべき電界強度等の電波の技術的特性を考慮し,既設局に有害な混信を与えないようにすること
 48年度末現在,割り当てられた周波数の個数は,第2-6-3図に示すように約6千波に達し,長波からマイクロ波までほとんどくまなく割り当てられている。
 特に移動業務に適しているVHF帯は,都市部における陸上移動業務及び沿岸無線電話を中心とする海上移動業務の伸びが著しく,VHF帯の混雑緩和は現在の周波数監理上最も重要な課題の一つとなっている。
 また,マイクロ波帯についても,最近は通常のいわゆるマイクロ波通信回線のほか,レーダ,気象観測,航空管制等の用途が拡大され,更に宇宙通信の本格化を控え,混雑の度合いは徐々に高まっており,準ミリ波帯,ミリ波帯の開発が急がれている。
 一方,短波帯は従来からその混雑が国際的に大きな問題であったが,最近国際通信の分野において海底ケーブル,対流圏散乱波通信,衛星通信などの広帯域通信回線が逐次整備されてきている。しかし,現段階においては主として短波に頼らざるを得ない海上移動業務及び短波放送業務の分野では,依然として国際的にし烈な需要があり,1979年に予定されている世界無線通信主管庁会議において,特に短波帯以下の周波数分配については大幅な再編成を行う必要があると考えられる。
 このほか,4MHz以下は1951年(昭和26年)EARCで採択された国際周波数表を基本としてIFRBにより厳しい国際管理が行われている周波数帯で,ラジオ放送のほか,無線測位業務,海上移動業務にかなりの需要があるが,周波数は国際的に飽和状態にあり,新たな国際登録周波数を得ることは極めて困難な実情にある。

第2-6-3図 無線局に対する割当周波数の推移

 

 

 

第2部第6章第2節 周波数分配 に戻る 2 業務別周波数割当の現状 に進む