昭和49年版 通信白書

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4 民間の情報通信事業

(1)企業数
 情報通信事業を行っている民間企業は,20社前後とみられる。民間の情報通信事業が認められてから2年余りしかたっていないことを考えると,この数は民間事業の発展が著しいことを示すものとみることができる。
 なお,民間情報通信事業者のうち主要15社の事業開始状況は,46年度1社,47年度7社,48年度7社となっている。
(2)企業規模
 上記15社のうち,情報処理,情報提供を主な業務とする企業は12社(このうちオンラインによりサービスを行うことを専業とするものは1社),情報処理,情報提供以外の業務を主な業務とする企業は3社(電子計算機の賃貸,販売等を主な業務とするもの2社,広告を主な業務とするもの1社)である。
 資本金,従業員数及び年間売上高からみたこれら各社の企業規模は,それぞれ,第2-4-33表,第2-4-34表及び第2-4-35表のとおりである。情報処理,情報提供以外の業務を主な業務とする企業は,相対的にその規模が大きい(特に外資系の会社で電子計算機の賃貸を主な業務とするものの規模は圧倒的に大きい。)。
(3)提供するサービス
ア.サービスの種類
 15社の情報処理・情報提供サービスシステム数は16であり,大部分は1社当たり1システムである。
 これらシステムのサービス別分類は第2-4-36表のとおりであり,電電公社の提供するサービスと比較して次のような特徴がある。
[1] 情報提供サービスを行うものがあること
[2] 外国にある電子計算機と接続しているものがあること
[3] 特定業務専用のものは少なく,多くの用途のために共同利用されるものが多いこと
 [1]に該当するものとしては,外国の通信社と提携して海外市況情報の提供を行うもの(これは[2]にも該当する。)及び国内の新聞社から提供される経済情報の提供を行うもの(このシステムは技術計算にも利用されているため第2-4-36表の分類では多目的に含まれる。)がある。なお,49年秋から運用開始を予定しているものとして,新聞社から提供される経済ニュース,利回り,決算予想等の情報のほかに,東京証券取引所及び大阪証券取引所の端末機から入力される株式の現在値を,全国の証券会社の店頭等に置かれる端末機に出力できるようなサービスシステムがある。
 [2]に該当するものとしては,前述の海外市況情報の提供を行うシステムのほか,米国の大手事業者と提携し,同国にあるコンピュータセンターを中心とした世界的なネットワークにより,時差を利用して電子計算機をフルに活用させ,低コストのコンピュータパワーの提供を可能にしているシステムがある。このシステムの利用形態としては,単なる科学技術計算のTSSのみならず,国内の証券会社が東京にある本社と海外にある営業所との間をこのネットワークで接続するとともに,同社で取り扱う株式の銘柄,顧客口座,注文等に関するデータをコンピュータセンターのファイルに保存し,このデータを本社・営業所間で共同利用するという形態などもある。
イ.サービス提供地域
 サービス提供地域は第2-4-37表のとおりであり,全国的なシステムはなく,大部分は東京,大阪,名古屋の大都市を中心としたものである。
ウ.端末数
 1システム当たりの端末数の状況は第2-4-38表のとおりである。1システム当たりの平均端末数は27台であり,全般的にシステムの規模は小さい。ただし,同表には記載されていないが,49年秋に業務開始予定の市場情報の提供を行うシステムには,49年3月末の準備段階で既に1,700余の端末機が配置されている。

第2-4-33表 民間の情報通信事業者の資本金からみた企業規模

第2-4-34表 民間の情報通信事業者の従業員数からみた企業規模

第2-4-35表 民間の情報通信事業者の年間売上高から見た企業規模

第2-4-36表 民間の情報通信事業者のシステムのサービス別分類

第2-4-37表 民間の情報通信事業者のサービス提供地域

第2-4-38表 民間の情報通信事業者の1システム当たり端末数

 

 

 

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