これまでの調査結果等一覧

「調査業務に関する実態把握の取りまとめ結果」について、各府省庁が実施する調査業務の負担状況・課題等を把握し、効率化や負担軽減等の改善に資することを目的として実施した実態把握の取りまとめ結果を公表しました。

中部管区行政評価局は、法務局の法定相続情報証明制度（以下「相続証明制度」という。）の利用促進に資するよう、名古屋法務局及び愛知県、岐阜県、三重県の全市区における制度の周知状況について情報収集を実施しました。その結果、名古屋法務局に対して、情報収集結果を提供し、市区町村と連携した相続証明制度のより一層の周知と、市区町村への資料提供などの支援を依頼しました。また、愛知県、岐阜県及び三重県の全市町村に対して、今後、ホームページやおくやみハンドブック等の作成・更新や住民対応への参考にしていただけるよう、88市区における本制度の周知状況、参考事例について情報提供しました。さらに、当局管内の行政相談委員に対して、相談対応の参考資料として、情報収集結果を提供します。

近畿管区行政評価局は、局の行政相談に寄せられた声を端緒として、農地法に基づく相続等により取得した農地の届出時における添付書類の提出に係る運用実態を把握しました。実態把握の結果、法令等に根拠がないにもかかわらず、添付書類の提出を求めている市町村が多数みられました。また、添付書類の提出を求めないとした場合に現場が懸念する課題なども把握し、速やかな課題解決に向けて、その結果を近畿農政局に提供しました。当局の実態把握結果を受け、近畿農政局は、府県を通じ、管内市町村に対して、添付書類の提出を求めない適正な事務処理の徹底などに取り組むよう、速やかに通知しました。また、確実な改善を図るため、継続したフォローアップを実施することとしています。今後、農林水産省においても、他の市町村に同様な周知を行い、全国的な課題解決に向けた取組を推進していく予定となっています。

九州管区行政評価局では、行政相談をきっかけとして、申請手続に係る利便性向上の観点から、今回初めて農業委員会における農地転用許可申請書等への登記事項証明書の添付省略の状況について情報収集を行いました。　その結果、現状では、対応が進んでいない実態が分かりました。　デジタル行政推進法では、法令で申請書に添付を義務付けている登記事項証明書について、受け付ける行政機関等がインターネット上の登記情報提供サービスを活用すれば、添付を省略できる旨を定めています。　この場合、申請者（特に申請を数多く代行する行政書士など）にとっては、法務局で登記事項証明書を取得するよりも費用や手間が少ないというメリットがあります。　今回、九州で農地転用許可などの件数が多い50市町の農業委員会の状況について情報収集したところ、これまで申請者から要望がない、具体的な実施方法が分からないなどの理由で、許可申請書への登記事項証明書の添付省略の対応が進んでいませんでした。　農業委員会における許可申請書への登記事項証明書の添付省略に向けた取組の実施に当たっては、申請者の利便性向上といったデジタル行政推進法の趣旨とともに添付省略の具体的な実施方法などの継続的な周知が重要と考えます。　当局では、行政課題の改善に資するため今回の情報収集結果を、本日、農地法を所管する農林水産省九州農政局に提供しました。

東北管区行政評価局は、農地関連手続における登記情報提供サービスを導入した市町村から同サービスの更なる周知の要望を受け、法務省に確認しながら制度概要、登録手続を整理するとともに、同サービスを導入した市町村から、経緯、負担感及びニーズについて情報収集を行い、この結果を東北農政局に提供しました。

平成31年に内閣官房情報通信技術総合戦略室（当時）と連携して、一度提出された情報を再度提出させないワンスオンリーの観点から、死亡に伴い資格等を喪失した事実を届け出る手続（死亡に関する届出が必要な手続）について「死亡に伴う手続に係る実態調査」を実施し、その結果を踏まえ、他の手続で登録された死亡情報を参照できるものの、死亡に関する届出の省略が認められていない手続については、「デジタル・ガバメント実行計画」において、死亡に関する届出を省略可能とすることとされました。　今回、同調査のフォローアップとして、死亡に関する届出を省略可能とすることなどとされた手続について、地方公共団体の現場における省略可能な仕組みの定着状況を把握するとともに、死亡の事実を証する書類の添付省略についても現場の実態を把握しました。その結果、①死亡に関する届出については、省略可能な仕組みが地方公共団体の現場で定着していなかった実態がみられました。②死亡の事実を証する書類については、法令等で添付が求められているが、調査対象とした地方公共団体では、死亡の事実が担保されれば、添付を求めなくても支障は生じないとする実態や、法令等では添付が省略等できるにもかかわらず、省略等が可能な仕組みが地方公共団体の現場で定着していなかった実態がみられました。

東北管区行政評価局は、東日本大震災により整備した災害公営住宅の活用方法の一つである譲渡処分について、地方公共団体や有識者の意見を踏まえ、16市町村に情報収集を行い、東北地方整備局に制度の解釈等を確認しながら、手続、留意事項、承認基準、Q＆A等を整理し、この結果を東北地方整備局や復興局に提供しました。

東北管区行政評価局は、障害のない人が車椅子使用者用駐車場を不適切に利用しているとの行政相談をきっかけに、東北地域の国の行政機関に対して同駐車場の適正利用に資する「パーキング・パーミット制度」の登録状況等に係る情報収集を行いました。総務省（本省）では、この結果を国土交通省に情報提供するとともに、東北以外の地域でも同様の取組を進めています。

中部管区行政評価局では、戸籍に記載されている者以外の者（第三者）による相続などの権利行使等を目的とした戸籍謄本等の請求（戸籍謄本等の第三者請求）をしたところ、本来必要のない委任状の提出を求められたなどの行政相談を端緒に、名古屋法務局管内の全市町村（5県159市町村）のホームページにおいて、戸籍謄本等の第三者請求がどのように案内されているかなどについて情報収集を行った結果、説明や案内が適切に行われていないと考えられる事例がみられました。令和6年4月から、これまで任意とされていた相続登記の申請が義務化され、これまで以上に戸籍を確認する必要性が高まっていることから、名古屋法務局では、管内市町村に対し、ホームページにおける戸籍謄本等の第三者請求に関する記載を適切な内容とするよう助言しています。中部管区行政評価局は、同法務局の取組に資するよう、情報収集を通じて把握した事例を同法務局に情報提供するとともに、名古屋法務局管外の市町村にも、同様の事例が確認できることから、同法務局を通じて、法務省本省にも情報提供を行いました。これを受けて同本省では、法務局・地方法務局を通じて全国の市区町村に対してホームページの記載の適正化について改めて周知するとともに、点検を依頼し、適切な案内となるよう助言を行いました。

中国四国管区行政評価局は、農地の所有権移転等の許可申請書等を提出するまでの時間の短縮や経費節減を推進する観点から、中国地方5県の農業委員会等における、農地の所有権移転等の際の登記情報提供サービスの導入・活用状況等について情報収集を行いました。情報収集結果を中国四国農政局に提供したところ、対応が図られましたので公表します。

介護保険による住宅改修等において、被保険者（利用者）が保険給付分について立て替えた後にこれに要した費用を受ける「償還払い」は、一時的とはいえ経済的負担が大きく、立替払いを不要にできないかとの行政相談が中部管区行政評価局管内にありました。中部管区行政評価局は、被保険者の負担軽減を図る観点から、立替払いを不要とする「受領委任払い」の導入に関して情報収集したところ、①受領委任払いの導入は被保険者に一時的な負担が生じないメリットがあり、導入済保険者では多くの被保険者にこの仕組みが利用されていること、②未導入の場合は一時的な負担から住宅改修を諦めるケース等があることを把握しました。また、導入済保険者からは、受領委任払いの導入に際して大きな負担はないといった意見が聞かれました。一方、未導入保険者では、未導入の理由として、①原則償還払いとされていること、②国から特に受領委任払いの導入を推奨されていないことが挙げられています。中部管区行政評価局は、この情報収集結果を取りまとめ、「厚生労働省においてより一層、受領委任払いに関する周知に取り組むことが望ましい」とするレポートを総務省行政評価局に報告しました。本レポートを総務省行政評価局から厚生労働省に情報提供し、厚生労働省では全国担当課長会議で本レポートを紹介するとともに、受領委任払いの導入に関する周知を実施しました。

政府においてもデジタルサービスへの転換、働き方改革の流れが加速していく中で、全ての国の行政機関の職員がサイバー攻撃の脅威にさらされていることを前提に、情報セキュリティに関する教育・訓練が行われることが重要と考えられます。そのような観点から、国の行政機関の職員に対する情報セキュリティ教育の実施状況（サイバー攻撃や情報セキュリティインシデントを認知した際にとるべき行動についての一般職員に対する教育に関するもの）について、政府情報セキュリティ・IT人材対策WG事務局、各府省庁の協力を得て、令和2年11月に調査を行いました。その結果を、「行政評価局レポート」として取りまとめるとともに、平成28年3月に決定された「政府機関におけるセキュリティ・IT人材育成総合強化方針」（CISO等連絡会議・CIO連絡会議決定）の今後の改定に係る検討の参考に資するよう、令和3年5月13日開催の「サイバーセキュリティ対策推進専任審議官等会議（第19回）」、「各府省情報化専任審議官等連絡会議（第46回）合同会議」に報告しました。

国立大学が入学時に求めている保証書等の記載内容を調査したところ、保証内容を具体的に示していないもの、改正民法に対応していないもの等がみられました。これを踏まえ、国立大学に見直しを促すことを文部科学省に求めました。

総務省では、コロナ禍を契機に、国の資格の更新等に伴う講習・研修等について、デジタル化を推進する観点から、オンライン等（例：WEB会議システム、eラーニング、動画配信）による実施状況を調査しました。その結果、更新時講習が義務付けられている98資格等のうち91資格等について、所管府省は、「オンライン等の実施が可能」としているものの、講習機関がオンライン等により実施しているものは、29資格等となっていることが判明しました。また、調査した講習機関が挙げた現場の課題及び取組例をまとめました。これらを踏まえ、各府省に対し、デジタル化を更に推進するため、講習機関に対してオンライン等による実施方法を具体的に提示して助言するなどの積極的な支援の必要性等について指摘を行いました。

コロナ禍等の現況で手続の電子化が求められることに鑑み、政府電子調達システムでの仕様書のダウンロード可否等を抽出調査し一定程度ダウンロードできないものがありました。調査結果は全府省と共有し同システムを活用してデジタル化を進めるよう通知しました。

政府・自治体は、新型コロナウイルスの感染症関連情報を回覧板などの従来方法とホームページなどインターネットによる方法により提供しています。これら情報提供の高齢者の受け止めについて、70歳以上の行政相談委員に周辺の現状や意見などを聞き取りました。その結果を「行政評価局レポート」として取りまとめたので、公表します。

総務省では、有料道路において料金を徴収されないで通行できる自衛隊車両（災害派遣等に際しての通行）及び救急車（救急業務に際しての通行）における有料道路の通行実態を調査した結果、以下①、②のような実態がみられたので、関係機関に連絡しました。①自衛隊車両では、一般レーンで証明書を料金所係員に手渡しする。その際、1台ずつ確認を受けるため、通行に時間を要する場合がある。②救急車では、抽出調査した32消防本部のうち、18消防本部が救急搬送時に一般レーンを走行、5消防本部が救急搬送先からの帰署時に有料道路を有料で通行している。