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第1部 特集 IoT・ビッグデータ・AI〜ネットワークとデータが創造する新たな価値〜
第4節 経済社会に対するICTの多面的な貢献

(2)時間の節約

ア 事例
(ア)情報検索サービス

情報検索サービスは、調べ物を行う時間を節約できる。加えて、「知る」楽しさを提供している。Yahoo! JAPANの検索サービス(図表1-4-2-7)のスマートフォン利用比率は、 2011年に10%未満であったが、2015年には約60%に上昇しており、ユーザーの半分以上はスマートフォン経由で利用するようになっている。幅広い世代において、情報探索の時間節約に貢献している。

図表1-4-2-7 情報検索サービスの例(Yahoo! JAPAN)
(出典)Yahoo! JAPAN提供資料
(イ)eコマースサービス

eコマースサービスは買物の利便性(買い物時間の節約)と楽しさの両方を提供している。eコマースサービスの市場規模、利用者数は年々増加傾向にあり、我が国においてはAmazon、楽天、Yahoo! JAPANがeコマースを提供する代表的事業者である。Yahoo! JAPANの出店数は小規模企業まで含めると40万店舗である(2016年3月時点)。

(ウ)ナビゲーションサービス

ナビゲーションサービスは、目的地への最適な移動経路に関する情報(移動時間、費用、移動経路・手段等)を提供している(図表1-4-2-8)。経路探索エンジンを活用したナビタイムジャパン提供の「NAVITIME」は、道路状況や運行状況にリアルタイムに対応した最適なルートを案内している。個人向けの「トータルナビR」とカーナビが主要なサービスであり、ユーザーからの投稿をもとに、リアルタイムに電車の混雑状況を共有するようなサービスも提供している。

図表1-4-2-8 ナビゲーションサービスの例(ナビタイム)
(出典)ナビタイム提供資料

利用者はナビゲーションサービスを利用して移動時間を削減することが出来るほか、移動を快適にすることができる。ナビタイムジャパンは、提供サービスにより人々の移動を最適化し、生まれた時間で人生に豊かさをもたらすことができるようにすることを会社のミッションとしている。カーナビアプリを起動して走行したら、その走行距離に応じてポイントを付与するサービスを提供しており、空いているルートを走行したらポイント(通貨や現金に近い形)を割り増しするなど、利用者が渋滞回避に積極的に参加したくなるような仕組み作りを行っている。

イ アンケート結果の分析

まず、インターネットショッピングサービスを利用して買い物をすることによって、実店舗まで行って買い物をする場合と比べてどの程度時間が節約されるのかを尋ねた(図表1-4-2-9)。その結果、買い物1回あたり40分〜1時間程度の節約となっている。節約される時間は、実店舗までの距離によって変わると考えられるため、年代によってそれほど差があるものではないと推察される。

図表1-4-2-9 インターネットショッピングによって節約される時間(1回あたり、年代別)
(出典)GDPに現れないICTの社会的厚生への貢献に関する調査研究
「図表1-4-2-9 インターネットショッピングによって節約される時間(1回あたり、年代別)」のExcelはこちらEXCEL / CSVはこちら

情報検索サービスについては、インターネットを活用して情報検索することによって、図書館等で文献によって調べ物をする場合と比べてどの程度時間が節約されるのかを尋ねた(図表1-4-2-10)。その結果、調べもの1回あたり40分〜1時間程度の節約となっている。図書館等まで行き来するための時間は除いており、実際にはこれ以上の節約になっていると考えられる。情報検索サービスによって、調べもの1回あたりの時間が短くなることから、インターネット利用者の調べものの回数は増加していると考えられる。

図表1-4-2-10 情報検索によって節約される時間(1回あたり、年代別)
(出典)GDPに現れないICTの社会的厚生への貢献に関する調査研究
「図表1-4-2-10 情報検索によって節約される時間(1回あたり、年代別)」のExcelはこちらEXCEL / CSVはこちら

将来的には、さらに多くの商品が購入できるようになったり、より多くの情報を調べられるようになると予想され、増大する情報量の中から消費者の好む商品や調べたい情報をより簡単かつ正確に提示できるようなサービスが求められると想定される。

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