我が国ではブロードバンド環境の整備により、ポータルサイトや、YouTube、ニコニコ動画等の動画共有サービスは、従前からも一定程度利用されてきた。さらに最近では、米国をはじめとして、放送局がインターネットを通じて番組を配信したり、Netflix、AmazonPrimeのように一定額の料金を払うことで動画が見放題となるサービスが登場したり、スマートフォン利用の定着を背景として若年層を中心に数秒間の短い動画を共有するサービスが登場するなど、様々なタイプのインターネット動画サービスが提供され始めている。
以降は、日本を含め、アンケート結果から各国における各種動画サービスの利用率7をみることとする(図表-3-2-2-6)。
これによると、中国を除く85か国において「YouTube等の動画共有サービス」の利用率は6〜7割となった。
なお、日本において2015年度から複数事業者が提供を始めた「NetFlix、AmazonPrime等の動画配信サービス」の利用率は12.6%(凡例①)、利用したことがないが利用意向のある者(凡例③及び⑤の今後利用してみたい)もそれぞれ11.3%、6.4%にとどまった。最も利用率が高くなったのは、米国であり47.1%となった。米国では従来普及していたケーブルテレビの代替として、より安価な動画配信サービスを契約する動きがあり、その影響で比較的利用率が高いと考えられる。
ここまで、各国において様々なインターネット動画配信サービスが利用されていることがわかった。それらは無料で利用できるものもあれば有料のものもある。利用者はどちらでの視聴を望ましいと考えているかについてみることとする。
以下に、「広告等の情報が表示されることなくインターネット動画を有料で視聴できるサービスがよいか」または「広告が流れるがインターネット動画を無料で視聴できるサービスがよいか」を尋ねた結果を示す。この結果によると、対象国すべてにおいて、「広告が流れるがインターネット動画を無料で視聴できるサービスがよい」という回答を選択する割合が高く、特に、日本、韓国、中国、オーストラリアでは、その傾向が一層強くみられた(図表3-2-2-7)。
我が国では、「広告が流れるがインターネット動画を無料で視聴できるサービスがよい」の考えが強くなったが、年代別にもみることとする。これによると年齢が若い方が有料でもよいという割合が高い結果となっている。
7 本設問では、凡例のとおり、利用の有無、認知の有無、利用意向の有無を尋ねており、①利用したことがあり今後も利用したいと回答した者の割合を利用率とする。
8 アンケートにて動画共有サービスの例として提示したYouTubeは、中国国内からのアクセスが規制されており、中国における動画共有サービスを利用しているとの回答が低くなっている可能性がある。