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第1部 特集 IoT・ビッグデータ・AI〜ネットワークとデータが創造する新たな価値〜
第2節 市場規模等の定量的な検証

2 コンテンツ・アプリケーション

(1)eコマース市場

世界の商取引額は、2015年時点で約22兆ドルに達し、経済成長に伴い拡大を続けている(eMarketer調査に基づく)。そのうち、eコマース(電子商取引)による取引額は急成長し、2015年で約1.7兆ドルに達しているが、これは商取引額全体でみると1割弱に過ぎない。このように、eコマースは、インターネットで利用されているサービスとしてグローバルに広く普及しているものの、まだまだその成長余地は大きいといえる。eMarketerによれば、eコマース市場は、2019年には現在の約2倍の3.5兆ドルまで拡大すると予想している。地域別でみると、アジア太平洋地域による貢献が大きく、2015年時点では同地域の市場規模が全体の約半分を占めているが、2019年時点には約65%まで増加する予想となる(図表2-2-2-1)。商取引額のうちeコマースが占める割合でみてみると、全世界が2019年時点で12.8%であるのに対して、アジア太平洋は20%を超える水準に達すると予想される(図表2-2-2-2)。

図表2-2-2-1 eコマース市場規模の推移及び予測
(出典)総務省「IoT時代におけるICT産業の構造分析とICTによる経済成長への多面的貢献の検証に関する調査研究」(平成28年)
図表2-2-2-2 商取引に占めるeコマースの割合(金額ベース)の推移及び予測
(出典)総務省「IoT時代におけるICT産業の構造分析とICTによる経済成長への多面的貢献の検証に関する調査研究」(平成28年)

国別で見てみると、規模及び成長性の観点から、中国の存在感が非常に大きい。中国は、米国と比べても、eコマースが商取引に占める割合も成長率も高く、今後世界のeコマースをけん引することがみてとれる。成長率の観点からは、中国の他、インドやインドネシア、南米諸国の高さが指摘される。日本の市場は、規模は異なるものの、商取引に占める割合及び成長率が米国やドイツと類似しており、eコマース市場の成熟度や経済的なインパクトはこれらの国と比較的近いと考えられる(図表2-2-2-3)。

図表2-2-2-3 諸外国のeコマース市場の規模と成長性
(出典)総務省「IoT時代におけるICT産業の構造分析とICTによる経済成長への多面的貢献の検証に関する調査研究」(平成28年)

eコマース市場の成長要因としては、モバイルコマースが挙げられる。急速に普及するスマートフォンやタブレット端末等のモバイル端末を利用し、商品の検索から決済までを行う習慣が広く普及している。前述したとおり、市場のけん引役である中国のモバイルコマース市場についてみてみると、2015年時点で約0.3兆ドルと既にeコマース市場全体の半分を占めている。同市場の成長は続き、2019年までに1.4兆ドルまでに拡大し、モバイルコマースの割合は70%強まで増加すると予想される(図表2-2-2-4)。

図表2-2-2-4 中国モバイルコマース市場の推移及び予測
(出典)総務省「IoT時代におけるICT産業の構造分析とICTによる経済成長への多面的貢献の検証に関する調査研究」(平成28年)
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