総務省トップ > 政策 > 白書 > 28年版 > 企業がIoTの導入を進める目的
第1部 特集 IoT・ビッグデータ・AI〜ネットワークとデータが創造する新たな価値〜
第3節 国際的なIoTの進展状況

(1)企業がIoTの導入を進める目的

プロセスにおけるIoTの導入を進める企業の主な目的は、コストを削減することである。ICT企業においては自社での内製も考えられるが、多くの場合は外部の企業が提供しているIoTソリューションを利用することとなり、どちらにしても相応の設備投資が必要となる。プロセスにおけるIoTの導入は、一次的にはコストの削減をもたらすが、従業員の意欲が高まるなどの二次的な効果をあげている事例も存在する。例えば、オムロンが自社の草津工場において富士通と共同で生産ラインのデータの見える化を行った事例では、改善の成果が見える形で確認できることで、現場のモチベーションが大きく向上し、次の改善へとつながる好循環が生まれた結果、生産効率が約30%もアップするという効果を生み出している4

プロダクトにおけるIoTの導入を進める企業の主な目的は、売上を増加させることである。初期投資として、見込まれる売上の増加に見合う範囲での研究開発投資を行い、製品のIoT化を進めることとなる。

企業におけるプロセス、プロダクトのIoTの進展はそれぞれ独立に進む場合が多いが、一方での進展がもう一方に影響を与える場合もある。例えば独ボッシュは、自社の工場にIoTソリューションを導入(プロセスにIoTを導入)し、結果として得られたノウハウやデータ、サーバー等のICT基盤を利用したIoTソリューションを他社に販売(プロダクトにIoTを導入)することにより、製品だけでなくサービスを販売するビジネスモデルへと転換している(図表2-3-2-4)。

図表2-3-2-4 プロセス・プロダクトへのIoT導入の事例(独ボッシュ)
(出典)総務省「IoT時代におけるICT産業の構造分析とICTによる経済成長への多面的貢献の検証に関する調査研究」(平成28年)


4 http://journal.jp.fujitsu.com/2015/04/20/01別ウィンドウで開きます

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