一方、今脚光を浴びている第三次人工知能ブームを中心とした技術革新では、過去の技術革新との違いとして、人が業務の中で道具としてICTなどの技術を活用する仕組みから、人と人工知能(AI)の共同作業に重点を置いた業務を中核に据える仕組みへの変革が期待されている。このような新しい仕組みの下では、人と人工知能(AI)はお互いが仕事上のパートナーであり、当然ながらその姿に行きつくためには、人と人工知能(AI)の相互の信頼関係に加えて、人工知能(AI)が単独で自律的な労働を担えることが前提となると考えられている。また、人工知能(AI)を労働の担い手としてみた場合には、これまで人が携わってきた業務の一部を代替することで、業務効率・生産性向上の可能性や、これまで人が携わることができなかった業務を担うことで、新規業務・事業創出の可能性を秘めていると予想される。
人工知能(AI)による技術革新については、有識者からも次のような意見があがった。
技術革新による雇用の代替や創出は、一般的な問題としてかつてから存在しており、人工知能(AI)だけの問題ではない。しかし、技術革新による雇用の代替や創出が人や社会に与える影響(例えば、必要なスキルの変化や平均賃金の増減など)は、技術や時代背景などにより様相が異なっていることが過去の技術革新の経緯から読み取れる。今後、人工知能(AI)による技術革新が雇用にどのような変化を生み出し、それにどのように対応していくかについては、その影響を冷静に見極める必要がある。