総務省トップ > 政策 > 白書 > 28年版 > 電磁障害対策の推進
第2部 基本データと政策動向
第3節 電波政策の展開

(2)電磁障害対策の推進

各種電気・電子機器等の普及に伴い、これらの各種機器・設備から発せられる不要電波から無線利用を守る対策が重要となっている。情報通信審議会情報通信技術分科会に設置された「電波利用環境委員会13」において電磁障害対策に関する調査・検討を行い、国際無線障害特別委員会(CISPR:Comité International Spécial des Perturbations Radioélectriques)における国際規格の審議に寄与している。また、総務省は情報通信審議会の答申を受けて、国内における規格化の推進等を通じて、不要電波による無線設備への妨害の排除や電気・電子機器への障害の防止等を図っている。

近年、世界的なエネルギー問題等に対応したスマートコミュニティや持続可能な車社会の実現に向けた動きに伴い、無線技術を活用したワイヤレス電力伝送システム(WPT:Wireless Power Transfer)に対するニーズが高まっている。WPTは、家電製品や電気自動車等へ迅速かつ容易な充電を可能とするものだが、その導入にあたっては、他の無線設備への妨害が生じた場合の社会的影響や、人体への安全性の確保を十分に考慮する必要がある。CISPRにおいても、関連する小委員会にタスクフォースが設置され、規格の検討が行われている。

国内では、電波利用環境委員会の下に、「ワイヤレス電力伝送作業班14」を設置し、他の無線設備との共用及び電波防護指針への適合性等について検証するとともに、WPTから放射される漏洩電波の許容値や測定法等の技術的条件について検討を行った。これらの検討を受けて、平成27年1月には、「ワイヤレス電力伝送システムに関する技的条件」のうち、「6MHz帯の周波数を用いた磁界結合型ワイヤレス電力伝送システム及び400kHz帯の周波数を用いた電界結合型ワイヤレス電力伝送システムに関する技術的条件」、同年7月には、「電気自動車用ワイヤレス電力電送システムに関する技術的条件」についてそれぞれ一部答申がなされ、平成28年3月に関連する電波法施行規則等の改正を行った。

WPTに関する国際規格については、CISPRにおいて、関連する小委員会にタスクフォースが設置され、検討が行われている。平成27年9月から10月にかけて開催されたCISPRストレーザ会議(於:イタリア)では、我が国は、電気自動車用のWPTについて、既存の無線業務との共用が確認されている79-90kHzを使用周波数として、それに対応する妨害波の許容値を提案した。



13 電波利用環境委員会:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/denpa_kankyou/index.html別ウィンドウで開きます

14 ワイヤレス電力伝送作業班:
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/denpa_kankyou/wpt.html別ウィンドウで開きます

テキスト形式のファイルはこちら

ページトップへ戻る