総務省トップ > 政策 > 白書 > 28年版 > ICTによって代替される雇用の変化
第1部 特集 IoT・ビッグデータ・AI〜ネットワークとデータが創造する新たな価値〜
第1節 ICTの進化と雇用、働き方

2 ICTによって代替される雇用の変化

ICTによる雇用の代替については、これまでのICT化は、定型的業務(例:会計事務や生産工程)を代替する一方、非定型業務(例:研究職や営業職)や手仕事業務(例:販売事務)は代替してこなかったことが先行研究1によって明らかとなっている。しかしながら、近年の人工知能(AI)技術やロボティクスの急速な進歩によって、非定型的な知的業務や複雑な手仕事業務も将来的には機械によって代替されるとの見方が強まりつつある。こうした人工知能(AI)等による幅広い雇用代替の可能性は、米国等において「雇用なき成長」(Jobless growth)や富の集中に繋がると懸念されている一方、少子高齢化による労働供給の減少が懸念される我が国では、介護や物流等の幅広い産業分野において、人手不足解消の切り札となると期待されている。

このように、ICTの雇用への影響は、人工知能(AI)等の進歩によって新たなステージに入りつつあり、我が国の将来課題との関連も見据えた総合的検討が必要とされている。



1 池永肇恵(2009)「労働市場の二極化―ITの導入と業務内容の変化について―」『日本労働研究雑誌』

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