総務省トップ > 政策 > 白書 > 28年版 > 年代別の利用分析結果に基づく将来展望
第1部 特集 IoT・ビッグデータ・AI〜ネットワークとデータが創造する新たな価値〜
第4節 経済社会に対するICTの多面的な貢献

(1)年代別の利用分析結果に基づく将来展望

アンケート結果の分析を年代別にみると、音楽・動画視聴サービスに関する消費者余剰は20代が最も大きく、30代、40代が小さく、以降は年代が高くなるにつれて大きくなるという傾向がみられた。年代が高くなる程、レコード、VHS等アナログ時代の高価なサービスを利用した人が多く、今のデジタル化されたサービスから大きい余剰を感じるということが考えられるが、20代の余剰も大きい点が注目される。若者は各種サービスの利用率や利用時間で見てもインターネットを最も利用しており、よりデジタル化されたサービスの恩恵を感じている又は不可欠と考えている可能性がある。

今後、指数関数的性能の向上やウェブ化(クラウド化)といったICT化の進展がさらに進み、また、デジタルネイティブと呼ばれている世代のアイデアと結びつくことで、ICT利用のすそ野がさらに広がり、新たなICTサービスやそれらからもたらされる余剰が生じると考えられる。現時点でその新たなサービスがどのようなものであるかを見通すことは困難であるが、2016年時点と比較して、25年ほど前の1990年代前半はまだインターネット利用は一般化しておらず、10年ほど前にはまだスマートフォンも実用化されていなかったことを想起すれば、これまでICTの進化がいかに急かつ非連続であり、社会へのインパクトが大きかったかがうかがえる。今後も企業と消費者の双方がイノベーションを追及することで、新たなICTサービスが次々と生まれていくことが期待される。

また、口コミサイトやインターネットショッピングサイトのレビューをどの程度参考にするのかについては、若者ほどレビューを参考にして買い物をしている傾向がみられた。

口コミを書き込む主な理由・動機をみると、年代が高い層は「自分の体験を他の人にも伝えたいため」という割合が高い一方、若い世代では「サイト内の自分のランクや信頼・評判を上げるため」、「ポイントや割引等の見返りのため」といった直接的な見返りを求める割合が高い傾向がみられた。これは若者がレビューの価値を高く評価していることの裏返しの可能性が考えられる。

若者がレビューを高く評価しているということは、今後、今の若者が中年〜高齢者へとシフトしていくにしたがって、レビューの社会的な影響力がより高まることが考えられる。

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