現在、様々なプレイヤーがIoTの世界で研究開発・標準化に積極的に取り組んでいる。とりわけ、国際的な標準化活動としては、アライアンスやコンソーシアムの取組が活発化している。それぞれをみてみると、B to C向けでは上位レイヤーに係る取組が多い。例えば、プラットフォーム等を標準化することにより、それらを利用したアプリケーションの開発が容易になる。そのため、家電メーカー等の事業者だけでなく、消費者自体がアプリケーションを開発することも可能となる。結果として、アプリケーションレイヤーでの競争が促進され、多種多様なアプリケーションが消費者に提供されるというメリットがある。他方、B to B向けを対象とした最も有名な団体としてはIndustrial Internet Consortiumが挙げられ、米国企業を中心として標準化の取組が進められている。
このような動きの中で、我が国企業は、IoTに対する関心が主としてメーカーやメーカー系SIerにあることから、標準化の取組もデバイスレイヤーに集中している傾向が見られる(図表2-3-1-1)。
企業向け国際アンケート1(日本、米国、英国、ドイツ、韓国、中国)において、各国企業のIoTに係る標準化への取組に関する意識調査を実施したところ、自ら取り組むというスタンスの企業が多い国(米国、ドイツ、中国)とそうではない国(日本、英国、韓国)に二分される結果となった(図表2-3-1-2)。
1 企業向け国際アンケートの詳細については、巻末付注2を参照。