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第1部 特集 IoT・ビッグデータ・AI〜ネットワークとデータが創造する新たな価値〜
第4節 外国人から見た日本のICT・文化 

(4)日本に対する印象と情報源

外国人は関心を持った我が国の文化・コンテンツをどのような手段で知ったのであろうか。アンケート結果から、我が国の文化・コンテンツ等について見たり情報収集した媒体、次いで印象を持つきっかけとなった媒体をみる。

前項において、多くの訪日外国人の関心が高くなった「日本の自然」、「日本の四季(春夏秋冬)」、「日本食」、「神社・寺院」、「アニメ」を対象に、どの手段を使って情報を収集しているのかの結果は下図のとおりである(図表3-4-1-8)。

図表3-4-1-8 日本の文化・コンテンツ等について見たり情報収集した媒体
(出典)総務省「IoT時代における新たなICTへの各国ユーザーの意識の分析等に関する調査研究」(平成28年)
及びみずほ情報総研提供資料(オーストラリア及びインドの調査結果)
「図表3-4-1-8 日本の文化・コンテンツ等について見たり情報収集した媒体」のExcelはこちらEXCEL / CSVはこちら

大まかな傾向としては、欧米(米国、英国、ドイツ)及びオーストラリアでは、「これまで見たことがない」が多いが、見たことのある者の中では「自国の放送」を挙げた者が最も多い。

アジアの国々(韓国、中国、インド)では、「自国の放送」が最も多いが、ネット系メディアである「ウェブサイト」、「ネット動画」、「ソーシャルメディア」のそれぞれを利用しているとの回答も一定割合存在する。

なお、テーマ別に傾向を見ると、各国とも概ね「日本の自然」が最も多く、次いで「日本食」が多い結果となっている。

上記に関連する印象を持つきっかけとなったメディアについて尋ねた(図表3-4-1-10)。なお、質問にあたっては「日本の自然」、「日本の四季(春夏秋冬)」、「日本食」、「神社・寺院」に対応した日本の印象として「自然が豊か」、「食事がおいしい」、「歴史がある」を設定し、そうした印象を持つきっかけとなったメディアを尋ねている(図表3-4-1-9)。

図表3-4-1-9 関心のある文化・コンテンツと日本に対する印象の対応
(出典)総務省「IoT時代における新たなICTへの各国ユーザーの意識の分析等に関する調査研究」(平成28年)
図表3-4-1-10 日本の文化・コンテンツ等について印象をもつきっかけとなった媒体
(出典)総務省「IoT時代における新たなICTへの各国ユーザーの意識の分析等に関する調査研究」(平成28年)
及びみずほ情報総研提供資料(オーストラリア及びインドの調査結果)
「図表3-4-1-10 日本の文化・コンテンツ等について印象をもつきっかけとなった媒体」のExcelはこちらEXCEL / CSVはこちら

大まかな傾向としては、前述した文化・コンテンツの情報収集する際のメディアと同様であり、欧米(米国、英国、ドイツ)及びオーストラリアでは、「これまで見たことがない」が多いが、見たことのある者の中では「自国の放送」を挙げた者が最も多い。

アジアの国々(韓国、中国、インド)では、「自国の放送」が最も多いが、ネット系メディアである「ウェブサイト」、「ネット動画」、「ソーシャルメディア」のそれぞれを利用しているとの回答も一定割合存在する。

上記の結果から、示唆されうる事項をまとめる。

欧米及びオーストラリアについては現状、韓国や中国と比較して訪日経験を有する者の割合が低いことに加え、全体的に日本の文化・コンテンツをこれまで見たことがない者の割合が高いなど、我が国への関心が高くないが、他のメディアと比較すると印象を持つきっかけとなったメディアとして比較的自国の放送の割合が高いという調査結果となった。我が国のことを知ったり、より深く知ろうとする「きっかけ」や多くの者に情報を届ける手段として放送が有効であるとともに、次に述べるアジアの国々にて現在起こっているようなネット系メディアも併せて活用することが効果的と考えられる。

アジアの国々については、特に地理的に近い韓国及び中国において、前述のとおり訪日人数も比較的多く、また、関心も比較的高く、見たり情報収集した媒体として放送の割合が高いのみならず、ネット系メディアも一定水準の回答があるという調査結果となった。訪日経験者が比較的多いことや関心が高いことを反映し、放送やウェブ上にて取り上げられる機会も多いと考えられること、また訪日経験のある者がソーシャルメディア上で情報発信し、共有され広がっていくといった要因が考えられる。

観光庁の訪日外国人消費動向調査では、訪日外国人が出発前に情報収集を行う手段を調査している(図表3-4-1-11)。ここでは個人のブログがもっとも高くなり、従来からの旅行ガイドブックより高くなっている。他にも旅行会社のホームページ、日本政府観光局のホームページも高くなった。

図表3-4-1-11 訪日外国人が出発前に得た旅行情報源で役に立ったもの(2015年。米国、英国、ドイツ、韓国、中国、オーストラリア、インド)
(出典)観光庁 訪日外国人消費動向調査
「図表3-4-1-11 訪日外国人が出発前に得た旅行情報源で役に立ったもの(2015年。米国、英国、ドイツ、韓国、中国、オーストラリア、インド)」のExcelはこちらEXCEL / CSVはこちら

アンケート調査で対象とした7か国別にみると、もっともアクセスする情報手段に特徴が表れている。米国、英国では「口コミサイト(トリップアドバイザー等)」、ドイツ「旅行ガイドブック」、韓国「個人のブログ」、中国「旅行会社ホームページ」、オーストラリア「自国の親族・知人」、インド「日本在住の親族・知人」となっている。

各国ともインターネットを通じた情報収集手段が有力な手段であることとともに、国によって利用している手段に特徴があることもわかる。

以降は、訪日客へのインターネットを活用した情報発信事例をまとめたものである(図表3-4-1-12)。

図表3-4-1-12 インターネットを活用した訪日客向け情報発信事例
(出典)総務省「IoT時代における新たなICTへの各国ユーザーの意識の分析等に関する調査研究」(平成28年)

上記の事例をみると、外国人が普段から使い慣れているインターネットメディアを活用した情報発信や、国ごとに関心を持ちやすいデザインを採用することで、より一層の利便性や親しみやすさを向上させていた。また、一部の民間企業においては、訪日客の行動履歴を蓄積し、商品開発やサービス向上に役立てようとしている。

今後は、訪日客の日本滞在中の消費や行動に係る情報の収集・蓄積につなげ、それらを分析することで、より高度な情報提供や事業者の商品・サービス開発につなげることができ、訪日外国人の満足度を高め、リピーター増にも貢献できるものと期待される。



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