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第1部 特集 IoT・ビッグデータ・AI〜ネットワークとデータが創造する新たな価値〜
第2節 スマートフォンの普及とICT利活用

(2)ソーシャルメディアの普及

前項ではソーシャルメディアの利用率が高まっていることを、前節のFinTechでは融資の可否を人工知能(AI)で審査する際にソーシャルメディア上の情報も活用している事例を取り上げた。また、第1章第4節では個人対個人(C2C)の取引において相手の評判や信頼性を判断したりマッチングの精度を高めたりするためにソーシャルメディアの情報を活用する事例があることを紹介した。ソーシャルメディアは、既に私たちの社会生活の基盤となりつつある。ここでは、ソーシャルメディアの個々のサービスの利用率をアンケート結果から見たうえで、ソーシャルメディアの情報を基にした新たなサービスとして、米国の若年層を中心に利用されつつあるバイラルメディアを取り上げる。

まず、代表的なソーシャルメディアのサービス名を例示し、利用しているかどうかの結果をまとめたものが以下の表である(図表3-2-2-3)。Facebook、Twitter、次いでInstagram、WhatsAppといった米国発のソーシャルメディアは比較的各国で利用率が高く、米国、英国、ドイツ、オーストラリア、インドにおいてはFacebookの利用率が最も高くなった。一方で、LINEが我が国で、Kakao Talkが韓国で、微信(WeChat)が中国において利用者が多いことからわかるように、特定の国において利用者が多いソーシャルメディアも存在している。

図表3-2-2-3 ソーシャルメディアの利用状況
(出典)総務省「IoT時代における新たなICTへの各国ユーザーの意識の分析等に関する調査研究」(平成28年)
及びみずほ情報総研提供資料(インド及びオーストラリアの調査結果)
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ソーシャルメディアの特性を活用した新たなメディアの形態として、バイラルメディアと呼ばれているものがある。思わず人に伝えたくなるコンテンツを発信し、ソーシャルメディアを介してネット上に拡散し、膨大なトラフィックを集めるメディアのことであり、米国のBuzzfeedが代表的である。我が国においても2016年1月、Buzzfeed日本版のサービスが開始されている。バイラルメディアが特に米国において注目されている背景としては2014年3月に出された米国のニューヨークタイムズの内部報告書があり、同報告書に記載されている「コンテンツをどのように読者に届けるか、その動線をBuzzfeedに学ぶべき」との内容がきかっけとなり、米国では新聞業界も含め議論が活発化している。

Buzzfeedにおける仕組みの1つに、ソーシャルメディア等を通じた記事の拡散の可視化がある(図表3-2-2-4)。

図表3-2-2-4 バイラルメディア(Buzzfeed)の概念図
(出典)Buzzfeed ウェブサイト
Introducing Pound: Process for Optimizing and Understanding Network Diffusion6

アンケートでは、日米2か国を対象に、バイラルメディアへの意識として、「拡散が視覚化されることで読み手の情報収集に役立つと思うか」「より拡散している記事ほど自分も読みたくなるか」「拡散が視覚化されれば記者や編集者と読者との相互理解が進むと思うかどうか」について尋ねた。

特に米国の20代及び30代において、上記の事項に対して肯定的に回答する割合が高い点が特徴的である。20代及び30代のいわゆるデジタルネイティブと呼ばれる世代が、他者の評価や他者とのつながりを重視した、他の世代とは異なるメディアの利用の仕方をしている可能性がうかがえる。

図表3-2-2-5 バイラルメディアへの意識
(出典)総務省「IoT時代における新たなICTへの各国ユーザーの意識の分析等に関する調査研究」(平成28年)
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6 https://www.buzzfeed.com/daozers/introducing-pound-process-for-optimizing-and-understanding-n?utm_term=.uajVX6v7qB#.tfZ0Pz6NAV別ウィンドウで開きます

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