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第1部 特集 IoT・ビッグデータ・AI〜ネットワークとデータが創造する新たな価値〜
第1節 IoTがもたらすICT産業構造の変化

1 インターネットに接続する様々なモノの拡大

インターネット技術や各種センサー・テクノロジーの進化等を背景に、パソコンやスマートフォンなど従来のインターネット接続端末に加え、家電や自動車、ビルや工場など、世界中の様々なモノがインターネットにつながり始めている。IoT(Internet of Things)時代においては、こうしたインターネットにつながるモノが爆発的に増加していくことが予想される。IHS Technologyの推定によれば、2015年時点でインターネットにつながるモノ(IoTデバイス1)の数は154億個であり、2020年までにその約2倍の304億個まで増大するとされている(図表2-1-1-1)。とりわけ、成長率の観点からみると、「自動車」や「産業用途」の分野でのIoTデバイス数の増加が見込まれる(図表2-1-1-2)。

図表2-1-1-1 世界のIoTデバイス数の推移及び予測2
(出典)IHS Technology
図表2-1-1-2 分野・産業別のIoTデバイス数及び成長率
(出典)IHS Technology

IoTデバイス数の増加は、とりわけモバイルデバイスの普及が寄与している。モバイルデバイスは世界中で増え続けており、米シスコによれば、2014年に73億だった全世界のモバイルデバイスの数は、2015年には79億にまで増加している。さらに、2020年までに116億に増加すると見込まれる。携帯電話等の端末やモバイル対応のパーソナルデバイスは82億台に達する。また、車載GPSシステムや医療向けのアプリケーション(患者の記録や健康状態をより迅速に入手できる等)を実現するM2Mの数は2015年から2020年にかけて6億から32億へ、全体に占める割合が8%から26%へ大きく増加すると予想されている(図表2-1-1-3)。

図表2-1-1-3 世界のモバイルデバイスの推移及び予測
(出典)Cisco VNI Mobile、2016年


1 IHS Technologyの定義では、IoTデバイスとは、固有のIPアドレスを持ち、インターネットに接続が可能な機器を指す。センサーネットワークの末端として使われる端末から、コンピューティング機能を持つものまで、エレクトロニクス機器を広範囲にカバーするものである。

2 「軍事・宇宙・航空」:軍事・宇宙・航空向け機器(例:航空機コックピット向け電装・計装機器、旅客システム用機器、軍用監視システムなど)。
「自動車」:自動車の制御系情報系において、インターネットと接続が可能な機器。
「医療」:画像診断装置ほか医療向け機器、コンシューマヘルスケア機器。
「産業用途」:オートメーション(IA/BA)、照明、エネルギー関連、セキュリティ、検査・計測機器などオートメーション以外の工業・産業用途の機器。
「コンピュータ」:ノートパソコン、デスクトップパソコン、サーバー、ワークステーション、メインフレーム・スーパーコンピュータなどコンピューティング機器。
「コンシューマ」:家電(白物・デジタル)、プリンターなどのパソコン周辺機器、ポータブルオーディオ、スマートトイ(玩具)、スポーツ・フィットネス用途の機器。
「通信」:固定通信インフラ・ネットワーク機器、2G・3G・4G等セルラー通信およびWi-Fi・WiMAXなどの無線通信インフラおよび端末。

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